かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

権藤晋著「つげ義春幻想紀行」

つげ義春 幻想紀行
この本を読むのは2度目でした。つげ義春の作品の舞台になっている土地を著者はたんねんに歩いて、つげマンガのシーンと、著者が現地で撮影した写真を並べて紹介しています。

1960年代後半、「ガロ」の臨時増刊号「つげ義春特集」を読んだときのおどろきと興奮は忘れられません。つげ作品の1つ1つが衝撃でした。その日から重症のつげ義春病にかかって、人とあうたびにつげ義春を読むよう宣伝して回っていました。

ひなびた宿場、街道、わらぶき屋根のある村がつげ義春の作品とどのように結びついているか。つげ作品を詳細に読みこんでいる著者の熱意が気持ちよく伝わってきます。そして自分でも、著者が本著で紹介するつげ作品の寂れた舞台を旅してみたくなりました。