かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

瀬尾まいこ作「図書館の神様」〜その2

図書館の神様
この本を薦めてくれたのは、以前勤めていた会社の女性。読んで面白かったので、お礼のメールを送りました。

そこに「主人公の女性のキャラクターがよかったよ」と書いて出しました。すると、その返信で彼女は、「あら、わたしは彼女をとりまく男性たちがおもしろかったけどな。性による見方のちがいかな?」と書いたメールがきました。

登場する男性というと、この主人公の女教師が教える高校生、彼女の弟、そして彼女の「愛人」と3名でてきます。なるほど、そういわれると彼女と図書館にこもって文学書を読破する高校生、彼女のすべてを受け入れてくれるやさしい弟もなかなか魅力的な男性です。しかし、主人公の「愛人」の人物像はぼくの興味の範疇にまったくありません。そのことをまた返信してみた。すると「愛人の男性はわたしも魅力を感じません。ただの引き立て役かもね」ともどってきました。

自分はなぜ彼女にいわれるまで二人の重要な男性人物にあまり関心をひかれなかったのか、と考えてみました。そして当たっているかどうかわかりませんが、「女性が願望しそうなキャラクター」で、魅力的だが「男にとってリアルな人物」でないのでは、とおもいました。女性作家の小説では、ときどき感じることです。これが的を得ているのかどうかは、わからないのですが、そうおもうことでちょっとなっとくがいきました。

彼女が指摘したとおり、小説を読むときに読み手の「性の差」が、作品の印象に影響を及ぼすことがある、それをこの小説では少し実感しました。