- 作者: 窪美澄
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/09/28
- メディア: 文庫
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『雨のなまえ』がおもしろかったので、映画化もされた『ふがいない僕は空を見た』を読む。
これもおもしろくて、どんどん進む。
アニメの衣装を着て、若い奥さんと高校生が不倫をしている場面からはじまるので、スタート早々刺激的だが、そういう要素も含めて、人間の捉え方が魅力的だ。
窪美澄さんの小説は、人間を描くときに、男女の性欲をテーマの底辺に据える。新藤兼人監督の表現を借りれば、「生と性」を描く。大胆な描写にびっくりすることもあるけれど、必然性があるので、不快な感じはない。
5つの短編で、それぞれ登場人物の主人公が入れ代る。
どの一編もおもしろい。ストーリーだけでなく、人物と人物の関係性が意外な方向に発展していくのに、おどろかされる。