かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

元気になれる映画は、やっぱりコレ!(笑)


男はつらいよ 寅次郎と殿様 [DVD]
山田洋次監督「男はつらいよ 寅次郎と殿様

久しぶりにまた見ました(笑)。以前、ringoさんが「リンゴ日記」に書かれているので、コメントしたいとおもっていましたが、そのときなにかバタバタしていて、できませんでした。それで、気になっていたので、トラックバックさせていただきます。

それにしても、寅さんの映画って、ある間隔を置くと見たくなりますよね。あるとき急に寅さんと会いたくなってしまいます。ふしぎな魅力ですよね。会うと、いつものあの寅さんがいて、必ず楽しい時間をすごさせてくれます。

ringoさんは、あまりなじみがない、とブログでおっしゃっていますが、ぼくには嵐寛寿郎は小さなころのヒーローです。もちろん、「鞍馬天狗のおじさん」ですね。この頭巾がなかなかなくて、代わりに、手拭いを2つ組み合わせて、顔にまいて、鞍馬天狗になりきっていました(笑)。


でありますから、冒頭の夢のシーンは、寅さんが鞍馬天狗です。アラカン(と嵐寛寿郎を呼んでいました)の鞍馬天狗は、面長が特徴でしたが、寅さんは四角い顔(笑)。面長でも、四角でもいいから、こんな正義の剣士が本当にいて、困っているときに助けてくれたら、杉作のように悩んでいる少年はどんなに救われるだろうか、なんておもいます。

ラカンの殿様のセリフは、時代劇そのもの。殿様という設定とはいえ、いかにも大げさですが、これも「アラカンの時代劇」、「時代劇のアラカン」を知っている山田洋次自身、観客といっしょに、時代劇の黄金期をしのんでのことかもしれません。

久しぶりにとらやに戻ってきた寅さんは、満男にこいのぼりのおもちゃをおみやげにもってきますが、実は博とさくらは、本物のこいのぼりをとらやの裏庭に飾ったばかり、いつものややこしい騒動がはじまります(笑)。

とらやの家族がみんなで寅さんの注意をひきつきて、そのあいだに博が一生懸命裏庭のこいのぼりをかたづけようとしますが、満男の「どうしてこいのぼりをおろしちゃうの」の声がして、露見してしまいます。ふてくされる寅さん。毎度毎度の光景ですけど、このころには、どっぷり寅さんの世界にはまっております

名優アラカン渥美清の共演、当時はそれほどの感情はありませんでしたが、いま二人を失ってみると、いっしょに歩いている姿を見ているだけでも、感慨をおぼえます。

ringoさんやid:tougyouさんもおっしゃっておりますが、そこに三木のり平をくわえて、「殿中でござる」の忠臣蔵が登場したり、またまた時代劇ごっこ。

当時は、現代劇のイメージしかない山田洋次監督でしたが、その後「たそがれ清兵衛」や「隠し剣鬼の爪」を撮ることを考えると、山田監督が時代劇にも愛着をいだいていたことを、改めて見るおもいでした。

可愛いい真野響子の姿も見られますね。どこか、若い時の吉永小百合が発散していた清純なイメージをもっているような。

もう少し彼女をマドンナとして活かしたい気もしました。個性的なアラカンにくわれてしまうのか、マドンナの存在としてはちょっとものたりない気がしました。

マンネリ化といわれた寅さんシリーズですが、いまおもえば、もっともっとたくさんあってもいいくらいですね。寅さんとすごすしあわせな時間でした。


【注】「リンゴ日記」の同記事は、こちら