かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

年末見た映画3本〜『幸福路のチー』、『カツベン!』、『男はつらいよ50 おかえり寅さん』。

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男はつらいよ50 おかえり寅さん』。




時間がないので、備忘録としてタイトルと少し感想を。




  • ソン・シンイン監督『幸福路のチー』。


12月21日、土曜日。「新宿シネマカリテ」で見る。台湾のアニメーション映画。


つるひめさんのブログを見て、見にいく。子供っぽい絵で描かれたチーが、少女時代と30代に成長した時代がいったりきたり、それぞれの年齢で考えたことが交錯して、ひとりの女性の半生が浮かび上がる傑作。斬新な作品だった。

台北郊外に実在する「幸福路」を舞台に、祖母の死をきっかけに帰郷した女性が幼少時の思い出とともに自分を見つめ直す姿を、台湾現代史を背景に描いたアニメーション映画。



(「映画.com」より)






12月22日、日曜日。「ウニクス南古谷」で見る。


待望の周防正行監督の新作。最高傑作Shall we ダンス?以来、毎回新作をたのしみにしている。今回は、活動弁士の話。期待が大きすぎたかもしれない。





-山田洋次監督『男はつらいよ50 お帰り寅さん』


12月29日、日曜日。「ウニクス南古谷」で見る。


大好きな寅さんが帰ってきた。

諏訪満男が成長して、彼には、高校生の女の子がいる。おいちゃん、おばちゃん、タコ社長は亡くなっている。いまは、柴又「くるまや」には、さくらさんとひろしさんが住んでいる。そして、家のなかに高齢者用の手すりがつくってある。


最終作から、それだけの時間が経っているのだ。


満男はサラリーマンをやめて、小説家として成功しつつある。謙虚で気弱な性格は、わたしたちが知っている子供のころと変わらない。


サイン会で、満男は、高校の頃の後輩で大好きだった泉ちゃんと再会する。満男と泉ちゃんとの「恋」を中心に展開するのは、後半の「男はつらいよ」の続編のようでもある。


しかし、ふたりにはそれぞれ家庭がある。最初から悲恋でしかないのは、わかっている。成長した満男と泉ちゃんの「恋」が哀しい。


そして満男は、「困ったときは、風に向かっておれの名前を呼べ」といってくれた寅・伯父さんのことがしきりと思い出される。伯父さんは、どこかで元気でいるのだろうか?


これまでの寅さん作品が50作、ギュッと詰まったような奇跡的な作品。見ているとこの50年の寅さんと「くるまや」の歴史が、頭のなかを駆けぬけていく。


山田洋次監督
が、よく創ってくれた、とおもう。寅さんファンへの最高のプレゼントだとおもいながら見る。年があけたら、もう一度見にいきたい。