かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

角田光代著「対岸の彼女」追記

tougyouさんがくださったコメント(4月13日)の、角田光代は、「孤独をもっとも認識している作家」という表現、鋭く的確だとおもいます。

角田光代の、いままで読んだ作品は、ほとんど「孤独」や「疎外感」がからんでいるようです(全部を読んでいませんが)。こんな「心の闇をのぞく」ようなテーマを、角田光代は、抽象的ではなく、現代の人間のこころの問題として、とても具体的に描いているのです。作品は、少しもむずかしくありません。それでいて、高校生、主婦、女性経営者の、心の孤独感に深く深くわけいっております。凄いです、本当に。

角田光代が、「孤独」を、気分としてではなく、彼女の血や肉にまで消化して、深く感じとっているのではないか、とおもいます。


【注】:tougyouさんのコメントのコメントとして書かせていただきました。