かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

まとめてコメントさせていただきます!

■[日本映画]山中貞雄監督『丹下左膳余話 百万両の壺』(1935年)


tougyouさん:beatleさんが仰るように、シーンとシーンのつなぎの見事さテンポのよさは快感ですね。


beatle:本当に快感でした。なんと巧みな場面の展開でしょうか。シーンの間を、斬新に利用した<可笑しみ>ですね。


tougyouさん:伊丹万作が言っていたように、山中貞雄はこれからほんとうの傑作を撮ったはずであり、今までの作品よりその顔や人間性の方が優っているというのは正解ですね(笑)。


beatle:とても、含蓄のある見方だとおもいます。芸術家が、本人から受けるよりも以上に、その作品が優れているのが本来ですね。その分離を見るのはむずかしいとおもいますけど。

ただ、山中貞雄は、持っている人間性のおもしろさの2割くらいしか(それでも、十分おもしろいですけど)、映画化できていなかったのではないか・・・これから東京へ出て、時代劇だけではなく、現代劇も撮る、という話も、小津安二郎などとできていて、いよいよ戦後、もてる才能が開花する時期を控えていたのではないか、そんな気が、伝記を読んだときにも、いたしました。


tougyouさん:私は一日中3回も掛けっ放しにして観ていました。とても気分がよくなりました。

beatle:tougyouさんは、時々(もっと頻繁かも?)凄い映画の見方をしますね。3回かけっぱなしの鑑賞は、むかし映画館で『ビートルズがやってくるヤア!ヤア!ヤ!』を続けて3回見た時以外、やったことないです(笑)。

いや、そのあと『レット・イット・ビー』も、連続3回映画館で見たことがありますけど、ぼくの場合、非常に見る素材が限定されていますね(笑)。



tougyouさん:beatleさん、黒木和雄は15年以上も前から山中貞雄の映画を撮ることをライフワークとしていて、脚本も数度劇作家等と一緒に完成させていたのに、満足がいくのがなかったようで、今度こそと思っていたら亡くなってしまいました。 


beatle:tougyouさんに教えてもらうまで、そのことは知りませんでしたが、黒木監督には撮ってほしかったですね。脚本も完成させていたなら、もう一歩のところではなかったかとおもいます。

それで思うのは、フィルムのない山中貞雄監督の映画にもししっかりした脚本があるのなら、もっと再映画化はできないのでしょうか。他の映画監督の力を借りてでも、山中貞雄の描こうとしていたものを、さらに知りたいという欲求があります。

たしかに、製作の時代背景が違うこと、また当時山中貞雄監督は、自分で創りたいものと、というより、消耗品のように会社から渡された企画を映像化していたようで、いま改めて映画にするような素材は少ないのかもしれません。

しかし、もし脚本が傑作でフィルムが欠損しているものがあるとしたら、リメイクされたものでも見てみたい、そんな気がしています。


tougyouさん:嵐山から嵐電北野天満宮へ行った時に、鳴滝があるので、鳴滝組の山中貞雄や三村伸太郎等八人の監督・脚本家の青春のことを思いました。 私が小説家か脚本家なら書いてみたいですね。そしてお金があったら映画化してみたいものです。


beatle:tougyouさんの小説、シナリオ、映画・・・とても興味があります。西洋・日本・アメリカ他、歴史的な名画が蓄積された感性から、どのような作品が飛び出すのか、興味深々、拝見したいですね。



jinkan_mizuhoさん山中貞雄は、未だに『人情紙風船』しか観てないので、なんともコメントできませんが、この作品も観てみたいですね。


beatle:これは(『丹下左膳余話 百万両の壺』)これで、ぜひ見てください。この監督のおもしろさ、がいっぱいです。しかも、バタバタした一過性の笑いではなく、落語のように時代を離れても笑える、粋な可笑しみでございます。







■[探険隊][ビートルズ]THE BEATBOXのライヴを見る(11月21日)


ヨシヤンさん:お疲れさま&お大事に。5日は恐縮ですが、またお会いできるので楽しみにしております。


beatle:こちらこそ、ついにヨシヤンのバンドを見る機会がやってきました。
5日のライヴ、楽しみにしております。

といっても、いつものペースで楽しくやってくださいね。本人たちが楽しくやっていると、それが結構観客の方にも伝わってくるものだとおもいます。

先日、ヨシヤンがThe Beatboxの演奏にあわせて楽しそうに合いの手をいれているのが、すごくよかったです。自分は苦手ですけど、ああいうのは好きです(笑)。



ringoさん:ご一緒にライブを楽しめたのは、良かったです。


beatle:ringoさんとは、外国のミュージシャンの来日では、ポールをはじめ(席は別でしたが)、何回かご一緒したこともありましたが、<ビートルズ・トリビュート・バンド>のライヴを見るのは、今回がはじめてですね。意外な気がします。

たしかに70年代、80年代で、<ビートルズ・トリビュート・バンド>のおもしろさを見尽くしたような気分がしていましたが、またビートルズが大好きなみなさんとご一緒に見る楽しさは、新鮮でした。

ringoさん、ぜひ、またご一緒させてください。







■[雑記]コメントの御返事、少し待ってください!


jinkan_mizuhoさん:京都は、ここのところ天候不順でなかなか紅葉を楽しめません。

beatle:京都は天候不順ですか。今日jinkan_mizuhoさんのmixiで、詩仙堂の紅葉の写真を見せていただきました。

息子のNaoは、少し前ひとりで京都へいったようですが、その後まだあっていません。紅葉の季節には少し早かったような気がしますが・・・。



tougyouさん:最近『重力ピエロ』という映画を観ましたが、加瀬亮がやはりよかったです。

beatle:tougyouさん、まだ『重力ピエロ』を見ていません。見たいです。

加瀬亮は、熱演をしないからいいですね。目の玉をひんむいて感情を露出するのが演技ではない、と知っている、すてきな俳優のひとりだとおもいます。






■[日本映画]石井克人監督『山のあなた 徳市の恋』(2008年)


tougyouさん:前半はこれは(草なぎ剛の演技について)舞台の演技の演出だと思えましたが、清水宏のモノクロのオリジナルもそうなですね。

beatle:tougyouさん、そうなんです。これはリメイクだけの強すぎる演技ではないんです。

自然派ともいえる清水宏監督の作品なんですけど、按摩さんを演じた徳大寺伸の演技も、けっこうオーバーに感じられました。しかし、モノクロ映画では、それほど目立たないんですね。


tougyouさん堤真一の淡い恋心だけの演技が印象に残りました。


beatle:tougyouさん、これは実際ぼくもそうでした。同じ脚本なのに、リメイクでは堤真一の女性への淡い恋心をぼくも感じましたが、清水宏版では、それももっともっと薄いような気がしました。

tougyouさんがおっしゃるように、リメイク版では、按摩さんの恋とは別に、ちょっと堤真一の淡い恋も、印象に残りますね。堤真一もうまい、とおもいました。


tougyouさん:正直なところは、温泉客の歩きかたがあまりににもぎこちなく不自然で、それで観る気が薄れてしまいました。仲代達矢が『七人の侍』で黒澤明に半日歩く練習をさせられて3秒だけシーンに映りますが、あれから仲代達矢は演技の基本は「歩くこと」だと最近のインタビューでも何度も言っていたことを思いだしてしまいました。私はともかく歩くシーンが自然でないとどんな名作でも駄目です。


beatle:ぼくは、そのへん鈍いほうで、全然気がつきませんでしたが、tougyouさんがおっしゃるように<歩く姿>の重要性は、よくわかるような気がします。

現代劇には現代劇の、時代劇には時代劇の歩き方の基本があるような気がします。

特に、ぼくは、時々見かける、テレビ・ドラマの、俳優の歩き方、しゃべり方、表情の過剰さ・・・その、ひとつひとつが、見るにたえなくて、いまドラマは、1本も見ていません。

NHK大河ドラマは、少し違うような気がしますが・・・

しかし、ぼくなどは、自分でもへんな歩き方をするほうで、きれいな歩き方というのは、演技を別にしてもむずかしいようですね。