民放で放映されたので、ビデオ録画で見ました。ringoさんがブログで紹介していた作品です。ringoさんは、「しっとりとした時代劇」と表現していますけど、まさにラスト・シーンはその言葉がぴったりですね。
武家階級の下級武士の生きる厳しさが縦の糸とすれば、幼なじみの男女の<不変の愛>が横の糸。
今の、恋愛相手をころころ変えるのがあたりまえの時代に、時代や境遇が変化しても「生涯愛したのはあなただけ」というような、古風ともいえる作品のテーマが爽やかでした。
二人が今生で結ばれることは、ついにない。静かに向かいあって、やっと積年の想いを言葉にする二人。美しくせつないラスト・シーンです。
先日見た『カンバセーションズ』(ハンス・カノーザ監督)の饒舌さより、ぼくはこういう寡黙な恋愛がいいなあ。