[rakuten:book:11043889:image]
タイトル通り、映画に描かれた東京をさまざまな角度から検証している。佐藤忠男は、独学で、映画を学んだひと。理に走る映画評論家ではないので、文章は読みやすい。1988年7月に講談社から発売されたものを加筆・訂正したものだという。解説を川本三郎が書いている。
以下本の構成……。
川本三郎氏の「東京論」が、東京生まれのひとの視線で書かれているのに対して、佐藤忠男氏は、地方から東京に憧れて上京した少年の目で書いている。労作、といっていい。1冊のなかに、無声映画から現代の作品まで、膨大な量の映画が引用されている。
私は日本映画についての知識の豊富なことについては有数のひとりだと自負しているから、どんな映画のどんなところにどんな東京が描かれていたかということは、たくさん記憶しているつもりである(もっとも細部になると遠い記憶はあやしくなるのだが)。
(「はじめに」から)
本書を読むと、自慢ではなく、事実だとなっとくしてしまう。