多くのファンからの要望に応え、『ALWAYS 三丁目の夕日』が再びスクリーンに。前作で淳之介を取り戻した茶川が芥川賞に挑戦していく。今回もまた当時の東京の風景をVFXを用いて、目を疑うようなリアルさで再現している。完成したばかりの東京タワー、日本橋などの街並みに加え、東京駅、羽田空港、開通直後の新幹線こだま号など、その時代を知る人にとっては懐かしい映像が続く。また、この映画の魂でもある三丁目の人々の温かさも健在。古きよき“昭和”の世界を再び味わって欲しい。出演は、堤真一、薬師丸ひろ子、吉岡秀隆、須賀健太ら、お馴染みの顔ぶれに加え、上川隆也、マギー、渡辺いっけい他。監督は前作と同様の山崎貴。
★(「goo映画」の解説より)
前作は、あずかった子供と別れるときのクライマックスで、茶川龍之介(吉岡秀隆)が号泣しながら、去っていく子供を追いかけていく……このくさいシーンで、興が醒めました。ぼくの苦手なシーンです。
でも、作りかけの東京タワーや、都電や古いクルマが走る道路や、昭和30年代の街並みの再現にはびっくり。これを見ているだけで、幸せな気分になってしまいました。
今回も、背景は十分たのしめました。昭和30年代の、日本橋、日劇、浅草、東京駅、などが前作同様の迫力で堪能できました。
★映画に描かれた昭和30年代の日本橋
<三丁目>の個々の人物は、前作から継承されて、安定してきました。シリーズ化もできそうです。事実この2作目があたれば、また3作目を作るのではないか、とおもいます。
吉岡秀隆の役づくりは、ややクサイですが、そういう映画と思えば我慢できますし、ほかの堤真一、薬師丸ひろ子、小雪、もたいまさこ、堀北真希、三浦友和はそれぞれ適役にはまって好演していますし、子役は「鈴木オート」の子供が自然でいいな、とおもいました。
1つの物語が描かれるのではなく、三丁目の人々の小さなエピソードが並行的に積み重ねられていきますが、その中心に、茶川龍之介(吉岡秀隆)が果たして芥川賞を受賞できるのかどうか、というサスペンスを配置し、複数の登場人物がほどよく活躍できるように構成されています。これはうまくいっているのではないでしょうか。
昭和30年代が、本当に、この映画のようなほんのりした人情の時代だったのか、よくわからないのですが、現実がどうであったかというより、われわれの<想い>を描いたもので、落語ファンが、江戸の長屋の人々に寄せる<想い>と共通しているようです。
2時間以上の映画でしたが、長さを感じませんでした。
★(11月21日、ワーナーマイカル大井にて)