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日本の家屋、庭園、美しい着物、やわらかな気品に満ちた関西弁。溝口健二監督と撮影の宮川一夫と美術の水谷浩が、その優れた技術を結集したような作品でした。
白黒映像がきれいです。こうした優れた映像の味わいは、カラー作品では出せないですね。関西の風土と言葉と女性を愛した谷崎潤一郎の世界を、映像で現出する素晴らしさに酔いました。
貫禄のでかかった田中絹代と、若い乙羽信子の共演はどのように展開するのかとおもいましたが、描かれている人間模様は、通俗的なメロドラマでした。