戦争未亡人の春子(望月優子)は、女手ひとつ、戦後のあらゆる苦労を重ねながら、二人の子供のために働いてきた。いかに身を落としても、それは生活のためであり、子供のためであった。
しかし、成長するにつれて、貧しさの辛酸を舐めた子供たちは、母を軽蔑していく。母の貧しさを、その性癖を、恥ずかしいとおもうようになる。
いつまでも子供を生きがいとする母と、その貧しい母から逃げようとする子供たちの、永遠のすれ違いの<悲劇>が描かれている。
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自分ごとですが、母が亡くなるまで、価値観や考えを一度も共有できなかったわたしには、痛切なテーマです。
部分的には、「涙・涙・涙」のシーンもあって、もう少し乾いた表現のほうがいいな、とおもったりしましたが、作品全体を貫くテーマは、非常に厳しく、痛切な映画でした。