家庭を顧みず、実の娘に絶縁された初老の男(緒形拳)と、いまなお母から虐待され続けている少女(杉浦花菜)の、<小さな旅>を描いたもの。<小さな旅>とはいっても、形の上では、男の誘拐。二人は、警察から追われる。
男は、母(高岡早紀)や、母の愛人の虐待で、壊れてしまった少女の心を回復させようとする。
<おとなは、みんな君の敵ではないんだ>
それが少女にわかってほしい。しかし、男の行為は、自分が実の娘についにしてやれなかった、後悔の埋め合わせなのかもしれない。
緒形拳の的確な演技で、見ごたえのある作品になっていました。