かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

酒と昼寝のゴールデンウィーク〜「小津安二郎と山中貞雄のこと」(4月29日)


小津安二郎、右山中貞雄
1938年1月12日、山中のもとを小津が訪ねて来た。2人はわずか30分の面会時間でたくさん語り合い、日本映画監督協会宛てに『南京で会ってお互いの無事を喜んでおります 小津安二郎』『悪運の強いのが生き残っています 山中貞雄』と寄書きをした。2人は『今度会う時は東京だ』と手を握りあって別れたが、これが2人の最後の対面となった(ウィキペディア)」。




4月29日㈯。
長男家族、来る。息子の運転で、入間だか狭山だかのショッピングモールに、買い物兼昼飯に出かける。混んでいるところへ出るのがいやなので、わたしは不参加。家でお酒を飲んで昼寝。


電子書籍で、平山周吉著『小津安二郎を読む。



かなり詳細に小津安二郎と日本映画全体の足跡を追い、そこに大胆な仮説もたてていて、おもしろかった。


特に戦地で病死した山中貞雄小津安二郎の関係が深堀りされているのが興味深い。


小津は、山中が戦争から帰ったら、京都から東京へ呼び寄せ、現代劇を撮らせようと考えていた。


しかし、山中は亡くなってしまう。28歳。



山中貞雄監督の現存するフィルムは、3作だけ。


3本とも、優れた映画だが、とくに遺作になった『人情紙風船』がすごい。


映画の終わりに解決がない。こんな古い時代劇なのに。強烈なペシミズム。ショックだった。


山中が生まれたのは、1909年。1910年生まれの黒澤明より、1歳上。


黒澤明の戦後の活躍をおもえば、山中貞雄も、これからどう才能を開花させたかーー。