かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

川島雄三監督『幕末太陽伝』(1957年)



今回改めて見て、落語ネタがふんだんに使われていることに気づきました。


などは、ほぼそのまま。


さらに落語に登場する遊び人の若旦那は、「唐茄子屋政談」、「船徳」などでも、「徳さん」と相場が決まっているようでが、この『幕末太陽伝』に出てくる若旦那もやっぱり徳三郎でございます。


口八丁手八丁の佐平次(フランキー堺)が、ウソとかけひきが飛び交う品川宿の廓を舞台に、大活躍。


複数の話が織り重なり、登場人物もにぎやかで、これは今、三谷幸喜監督が得意としている群集コメディの先駆的作品だとおもいました。


ラスト・シーンは、佐平次が、浮世絵のような、東海道の松並木を疾走していきますが、ぼくのこれまでの記憶はまちがっていて、なぜか、廓の唐紙を突き破ってそのまま野外へ走り抜けていく、というように憶えていました。この思い違いが、今回訂正されたのもよかったです。


それにしても、フランキー堺の演じる佐平次は凄いですね。誰にも代役のできない怪演です。


この2本は、jinkan_mizuhoさんにお借りして見ることができました。


【追記】jinkan_mizuhoさんが、こちらで『幕末太陽伝』について解説と感想を書かれております。またウキィペディアの「幕末太陽伝」で、この作品に関する詳細な解説があります。参考にしてください。


【再追記】tougyouさんのこちらの解説も参考になります。以上の3つを読んだだけで、ぼくは急にこの映画について詳しくなりました(笑)。みなさん、すごいな!