かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

山田洋次監督『男はつらいよ 望郷篇』(1970年)

第5作 男はつらいよ 望郷篇 HDリマスター [DVD]
テレビ版で、<さくら>をやっていた長山藍子がマドンナ。テレビ版の<博>をやっていた井川比佐志が、その恋人役。テレビ版で<おばちゃん>をやっていた杉山とく子が、長山藍子の母。


仲間のテキ屋が死を迎えようとしている。その息子に知らせたが、機関車の釜焚きをやっている息子(松山省二)は、親父を恨んでいて、会おうともしない。さんざ母を泣かし、勝手に生きた極道の父を、息子は許そうとしない。


寅さんは、まるで自分の末路を見たようで、暗い気持ちになる。柴又へ帰った寅さんは、「額に汗して」働こう、と心をいれかえる。


とはいえ、ヤクザな寅さんを雇ってくれる職場はなかなかない。労働への意欲もそがれてしまう寅さんだが、そんななかで、母娘でやっている浦安の豆腐屋さんに仕事先をみつける。


ようやく額に汗して働く仕事をみつけた寅さんだけれど、その娘に恋してしまう。いつものように、娘には寅さんではない、恋人がいて・・・寅さんは失恋する。


つなぎのジーパンを着て、寅さんは「じゃあ、労働にいってくるから」とポーズをキメる。


このシーンはなんど見ても笑ってしまう。


おいちゃん(森川信)の「馬鹿だねえ、まったく馬鹿だねえ」というセリフは、はじめ森川信のアドリブだったという。


この作品のころには、おいちゃんのキメのセリフとしてすっかり定着している。