先日仕事の関連で知床へ旅行したので、久しぶりに寅さんの「知床慕情」を見てみる。
三船敏郎は、北海道の、頑固な獣医役。竹下景子は三船に反対された男と駆け落ちして東京へいったものの、結婚生活に失敗して知床へもどってくる。
この竹下景子は、寅さんシリーズに、違う役で、3回出演している。どれも寅さんに思慕を寄せるマドンナ役で、寅さんのはっきりしない態度に、苦しい表情をみせる。そんな竹下景子の切ない表情が、いい。
わたしのなかでは、浅丘ルリ子とともに、竹下景子のマドンナが、特に印象深い。
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今回の北海道の旅行中、遊覧船で、知床岬の断崖を見て回った。映画では、知床岬を、船長(すまけい)の操縦する漁船で、寅さんと竹下景子が見ているシーンが出てくる。
前にも書いたけれど、最後の、親しい仲間のいるなかで、三船敏郎が淡路恵子へ愛の告白をするシーンは、今井正監督『青い山脈』のラストシーンを連想させる。