- 出版社/メーカー: ファーストトレーディング
- 発売日: 2006/12/14
- メディア: DVD
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好きな西部劇。久しぶりに見直す。
★
上映時間と映画のなかの進行時間が同じ。それが、緊迫感を盛り上げる。
正午には、男が復讐にやってくる。駅で、それを3人の子分が待っている。
ゲイリー・クーパーは、むかしこの荒くれ者を捕まえ、町に平和をもたらした保安官。しかし、その死刑囚だった悪者が、恩赦で釈放され、町へ復讐にもどってくる、という。なんて迷惑な恩赦だろうか。
保安官ゲイリー・クーパーは、自衛団のような組織をつくるため、助手を募集するが、荒くれ者たちを恐れて、町の男は、誰ひとりやってこない。
町ぐるみで、彼を見放す。この町の住民の冷たさが、凄い。
ひとりで闘わなければならなくなったクーパーの恐怖が手厚く描写される。人間を彫り深く描いた、この西部劇のみどころだ。
保安官は、長年町を守ってきた人間としての誇りと恐怖が衝突する。
いっときは、厩(うまや)へいって、馬で逃げることも考えるが、人間としての誇りが、それを許さない。
結局彼はひとりで、復讐にやってきた悪者4人とひとりで闘うことになる。クーパーは決闘には勝つが、荒涼とした人間への不信感が、映画の余韻として残る・・・。
★
すばらしい映画だが、むかしから素朴な疑問がある。
悪者は腕がたつといっても4人。列車を降りると、4人並んで、町を歩いてくる。
もし、5〜6人の男が建物のなかから、窓から、銃でいっせいに狙撃したら、ひとたまりもないのではないか。
映画でクーパーを助けたい男も出てくるが、ほかに助っ人がいないことを知って、尻込みして帰ってしまう。
「七人の侍」のように、きちんと作戦を準備して、勝ち目のあることを町の男たちに示せば、状況は変わってきただろう、とおもうのだが・・・。
この名画に感動した最初から、同時に、そういう疑問が消えない。