かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

今井正監督『にごりえ』(1953年)

にごりえ [DVD]

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山田洋次監督が選ぶ100本」は、どれもいいので、見たことがないものは、録画してできるだけ見るようにしている。これも録画してみたが、よかった。


今井正監督の晩年の作品は、テーマが前へ出すぎて、人間に厚みがなく、あまりいいとおもったことはなかったけど、この映画は見ごたえがあった。



明治・大正・昭和と過ぎ去った日本へは、ついつい郷愁を感じてしまう。が、ここに描かれる明治女性の生きる厳しさをみると、「むかしはよかった」なんていってられない(笑)。


これがむかしの日本なら、戻ってみたい時代ではない。


ただ冒頭に出てくる美しい明治の街並みは、夢の風景のように幻想的で、目を奪われてしまった。