かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

深田晃司監督『ほとりの朔子』と新年会(1月18日)



両国の江戸東京博物館「大浮世絵展」へいくか、渋谷のシアター・イメージフォーラム深田晃司(ふかだ・こうじ)監督『ほとりの朔子(さくこ)』を見にいくか迷っていたが、「大浮世絵展」は混んでそうな気がしたので、映画を見にいくことにする。


早めに練馬のアパートを出て、渋谷へ向かう。渋谷駅から宮益坂を上って国道246号を渡り、ちょっと左に行って右に曲がると、シアター・イメージフォーラムはある。


1時間以上も前に着いたのに、整理番号の札をもらったら「59番」。行ってみてわかったのだが、この作品は単館上映で、今日が初日、監督・俳優の舞台挨拶がある日なのだ。早く来て、正解だった。


近くの「スターバックス」へ寄り、西村賢太著『一私小説書きの日乗』の続きを読む。芥川賞を受賞したあとの西村賢太氏の日常が日記の形式で描かれているが、豪快でおもしろい。


開映20分前にシアター・イメージフォーラムへ戻ると、映画館の前にいっぱいひとが集まっていた。


上映前に、監督・俳優・プロデューサーの舞台挨拶(こちらを参照)。これから見る映画の監督や俳優をまぢかに見れるのは楽しい。



『ほとりの朔子』は、大学受験に失敗した朔子(さくこ)の海街での2週間が描かれる。自然な会話で、ゆったり進んでいく。朔子を演じる二階堂ふみの、ごく普通の存在感が心地いい。


プロデューサーであって、女優としても出演している杉野希妃さんが美しく、若いころの八千草薫さんに似ているような気がした。


小津作品などでもそうであるように、自然さを演出しているのが、はじめはかえって気になるが、映画が進行していくと、気にならなくなる。


こういう自然でゆったりした味わいは、荻上直子監督『めがね』を連想する。


事件らしい事件の起こらない繊細な作品で、満足。



映画を見てから、新年会のため新宿の「紀州屋」へ向かう。17時より、H坊、Yさん、I夫妻、N(長男)夫妻、私の7人。長男夫婦以外は、懐かしい顔ぶれ。一番心を許せる仲間かもしれない。


散会してから、Yさんとふたりで、思い出横丁へ向かう。