かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

落合賢監督『太秦ライムライト』を見る。


川越からインターネットで予約して、8時40分からの上映を見に、「新宿バルト9」へいってきました。


福本清三は、斬られ役50年。「5万回斬られた男」の異名をもつ脇役専門(もっといえば、セリフのないエキストラに近い大部屋役者といったほうがいいのかもしれない)で、この福本清三が70歳を過ぎて、はじめて主演したのが、落合賢監督の『太秦ライムライト』です。


70年の年輪を顔のシワに刻んだ福本清三が、シブい!


黙々と斬られ役のけいこをするが、それでも一向に役がつかない。老兵には声がかからないのだ。


それでも、この主人公、福本さん演じる香美山清一は、不満をいわない。結果、太秦撮影所のアトラクションに出演して、観光客を相手に、糊口をしのいでいくしかない。


福本清三本人と役の香美山清一がダブってくる。


若い女優との木刀をもっての激しいけいこも、さすが50年の研鑽のたまもの。チャンバラの迫力に魅せられる。



映画に満足して、紀伊國屋書店近くの「磯丸水産」で、マグロ丼を食べながらハイボールのストレートを3杯。


その帰り、東武東上線が人身事故で、「下板橋駅」で停まってしまう。テクテクと炎天下、2時間ほど東武練馬のアパートまで歩く。