かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

是枝裕和監督『いしぶみ』を見る(8月6日)



川越駅で妻と待ち合わせ、川越スカラ座へいく。市役所の駐車場へクルマをあずけスカラ座へいくと、映画館の前へ列ができていた。その後ろへ並ぶと係りのひとがきて、「何の映画をごらんになりますか」と聞かれた。『いしぶみ』というタイトルがすぐ出てこなかったので、「是枝監督の・・・」というと、手に持ったメモに「海」と書いたので、「あのそれは見たので、朗読のほうの」というと、「あっ、それなら映画館のほうで受け付けていますので」となかへいれてくれた。


映画館前の列は、15時からの『海よりもまだ深く』上映のあと、是枝裕和監督のティーチインがあって、それに参加するひとの入場券確保の列だと、わかった。わかっていたら、それも参加したい気持ちはあったが、きょうの目的は『いしぶみ』だったので、未練がありながらあきらめた。



『いしぶみ』は、綾瀬はるかの朗読で進行する。内容を「映画.com」から引用すると・・・

昭和20年8月6日、広島市の中心部を流れる本川の土手で建物の解体作業にあたっていた旧制広島二中の1年生321人は、わずか500メートル先に投下された原子爆弾で全員が命を奪われた。遺族の手記に残された彼らの最後の言動を、広島県出身である綾瀬が切々と読み上げる。


簡単なセットのなかで、綾瀬はるかが淡々と朗読する。即死したものもあるが、家族のもとへもどったものもいる。が、数日後には死を迎え、生き残った生徒はいない。原爆投下直後の生徒たち321人の言動が、ひとりひとりの遺族の手記から浮かび上がる。



わざわざ意識してその日にあわせたわけではなかったが、きょうは2016年8月6日で、原爆投下の日からちょうど71年目の当日だったんだ、と映画を見てからおもった。


『歩いても 歩いても』にしても、新作『海よりもまだ深く』にしても、フィクションでは日常のディテールを大切にして、テーマを露骨に出さない是枝監督だけれど、最近『映画を撮りながら考えたこと』を読んで(まだ途中ですが)、問題意識をつねに強くもったひとなんだな、と知ったところで、この原爆をテーマにした作品も、意外な気はしなかった。


映画を撮りながら考えたこと

映画を撮りながら考えたこと

●この本は、是枝監督が自作の全作品に、その成立過程やコンセプトを率直に記したもので、とてもおもしろい。


『いしぶみ』予告篇↓
https://www.youtube.com/watch?v=TMTWamdxpko



映画を見たあと、近くはどこもお昼で混雑していそうなので、時々いく「野草庵」へいって昼食兼お酒。