かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

クリストファー・ノーラン監督『ダンケルク』を見る(9月15日)。



9月15日、金曜日。午前9時半からイオン板橋の映画館で、クリストファー・ノーラン監督の『ダンケルク』を見る。戦争映画でも、勇敢なヒーローを主人公にしたものは、予告編を見ても見る気がしないけれど、この作品はひとあじ違う映画だ、という気がしたので見にいく。


ヒーローは、登場しない。主人公若者たちはドイツ軍の激しい攻撃のなかで、逃げ惑うだけ。その戦場のリアルを、観客もそのなかにいるような臨場感で描いた作品。もちろん、実際に戦場で攻撃される恐怖感は、客席から遠見の見物している観客に実感できるわけがないけれど、ストーリーらしいストーリーもなく、ただただ逃げて逃げて逃げるだけの登場人物の視点で、フランス北部に追い詰められたイギリス・フランス連合軍40万人の撤退作戦が描かれる。




チャーチルは、そのなかの5万人の兵士の命を助けられればいい、と考えていたそうだが、この撤退作戦で30万人の命が救出されたという。


旧日本軍が撤退や捕虜になることを恥辱として、玉砕に玉砕を重ねて、いたずらに兵士の命を散らしていったことをおもうと、この救出劇が心に迫ってくる。


最後、助かった若者に、こんな声をかけるひとがいる。
「よくがんばったな」
若者は、
「生き残っただけです」
「それで十分だ」


ダンケルク』予告編⬇
https://www.youtube.com/watch?v=Vbz1UG-7nPY



映画館のある5階の回転寿司でお昼を食べてアパートへ帰る。