かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

 [読書]映画『伊藤くん A to E』と眉村卓著『出張の帰途』(1月22日)。

何日か前から大雪の情報が出ていたので、今日は仕事をやすむことにする。


1月22日、月曜日。朝、イオン板橋の映画館に、廣木隆一監督『伊藤くん A to E』をネットで予約。アパートを出たら、午前9時の時点で、もう、ぱらぱら雪が降りはじめていた。線路をわたって、「イオン板橋」へ。


早めに着いたので、5階の映画館でチケットを発券してから、しばらくタプレットで、眉村卓ファンタジー小説『出張の帰途』を読む。ファンタジーの短編集。どれも、ふしぎな出来事が起こるが、すっきりした解決はない。テレビドラマの「世にも奇妙な物語」の感覚に近い。こういう曖昧なまま終わる話が、嫌いではない。


出張の帰途 (祥伝社文庫)

出張の帰途 (祥伝社文庫)



午前9時35分から、『伊藤くん A to E』を見る。主演は、岡田将生(おかだ・まさき)と木村文乃(きむら・ふみの)。



ひとりの自己陶酔型の男性に、五人の女性がふりまわされる、というような話。青春もの、純愛もの・・・は、もういいや、という気分なので(68歳という年齢からあたりまえだけど)、この映画の登場人物がすべて無様な姿をさらけ出す、というコンセプトに、興味をかんじた。


女性主人公の木村文乃が美しい。いままでどちらかというと、あまり表情を出さない清涼感のある美人、という印象だったけれど(この映画の前半はやっぱりそのイメージ)、後半その整った外観がくずれて、悩める素の姿を(あくまで映画の上で、だけれど)、曝けだす。美しく整ったものが、崩れていく、そういうものを見て快感をかんじる感覚を味わう。



時代遅れになりそうな女性脚本家を演じる木村文乃



自己陶酔型イケメンを好演する岡田将生


5人の女性を翻弄する「伊藤くん」を演じるのは、岡田将生。李相日(りさんいる)監督の『悪人』(2010年)などでも、人の気持ちのわからない二枚目青年を演じていたけれど、今回もどこか気持ちの悪い、イケメン青年を演じている。端正な顔立ちだけに、内面との落差があって、おもしろい。


5階の回転寿司屋さんで、熱燗を飲む。イオン板橋を出たら、来るときよりも、だいぶ雪は激しくなっていて、もう積もりかけていた。


伊藤くん A to E 』予告編↓
https://www.youtube.com/watch?v=Bql2AfXUjDA


豪華俳優陣の舞台挨拶↓
https://www.youtube.com/watch?v=3-hgX1uPpH8


夕方、居酒屋「春日」へ飲みにいくために、外へ出ると、だいぶ積もっていて、しきりに雪が降っている。車道も、白くなっていて、そのうえに車輪の跡がくっきり残っていた。足元に注意しながら、「春日」へいく。早い時間だからか、雪のせいなのか、いつもより店がすいている。奥のカウンターがあいていたので、そこを占拠。あじのたたきと、かき鍋を注文し、「ひれ酒」でスタート。


電子書籍で、眉村卓の『出張の帰途』の続きを読みながら、熱いひれ酒とかき鍋であたたまる。


『春日』を出ると、雪はだいぶ小降りになっていた。「ローソン」へ寄って、あしたのためのカップ麺と缶チュウハイを買って、アパートへもどる。