ゲリー(ジェリー)・マースデン
「ジェリー・マースデン逝去」という報道をみて、「アップル・ミュージック」で、ジェリー&ペースメイカーズの曲をひさびさに聴いてみる。
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リバプール出身で、ビートルズを追いかけるようにしてデビューした人気グループが、ジェリー&ペースメイカーズだった。
ジェリー・マースデンは、グループのリーダーでヴォーカリスト。
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Gerry & The Pacemakersと英語で綴るので、日本でデビューしたころは、ゲリー&ペースメイカーズと表記されていた。わたしも、このほうがなじんでいる。このあとはなじんだほうの呼び名で綴ります。
ゲリー&ペースメイカーズは、リバプールの「キャバン・クラブ」やドイツのハンブルグを活躍の舞台にしていたので、ビートルズとは近しい関係にあった。
マネージャーのブライアン・エプスタインは、ビートルズの売り出しに成功すると、次は彼らに目をつけた。
ビートルズの爆発的な人気にあやかって「柳の下の泥鰌(どじょう)」をねらった、ともいえるかもしれない。しかも、プロデュースが、ビートルズと同じく、ジョージ・マーチン。成功の方程式で、デビューする。
彼らのデビュー・シングルは、「How Do You Do It」。
ジョージ・マーチンがビートルズにすすめて、録音までしたが、シングルはオリジナル作品で出したいと断ったため、その曲がゲリー&ペースメイカーズにまわってきた。
新人グループ(ビートルズ)の拒否を、ジョージ・マーチンは怒ることなく受け入れ、「よーし、ならば次にはNO.1になるような曲をもってきたまえ」というと、ビートルズは、初のNO.1ヒット曲になる「プリーズ・プリーズ・ミー」をもってきた、という話もある。
ゲリー&ペースメイカーズの「How Do You Do It」は英国でNO.1になる。ジョージ・マーチンのヒット・ソングを見いだす感覚も正しかった、ということになる。
ゲリー&ペースメイカーズは、その後、連続3曲のシングルを英国NO.1ヒットにし、快調なデビューを飾った。
グループのカラーとしては、ビートルズよりもロック色はうすく、メロディアスなゲリーのヴォーカルに魅力があった。
わたしは、それほど彼らのあとを追っていないので、知っている曲も多くない。いちばん好きだったのは、ゲリーの哀愁をおびたヴォーカルが聴ける「マージー河のフェリーボート(Ferry Cross the Mersey)」。
2021年1月3日逝去。78歳。
またビートルズにゆかりのあるひとが、ひとり亡くなった。
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Gerry The Pacemakers - How Do You Do It (Subt. Ing/Esp)