6月2日(水)、晴れ。
きのうから都内の映画館が解禁された。オリパラを決行するため、自粛とか要請とかいって、市民をいじめまくるスガ自民党と小池百合子都知事に腹が立ってしかたがない。
そういえば、きのうアパートの近くの居酒屋が、堂々と提灯にあかりをつけて営業開始していた。
わたしが奥で飲んでいると、外におまわりさんが来た。どういう対応したのかわからないが、従業員の女性としばらく話して、おまわりさんは帰っていった。
「声をあげなければ政治に殺される」。
優等生で、要請に従うばかりじゃ、「座して死を待つ」ことにしかならない。なんの抗議にもならない。
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6月2日、「イオンシネマ板橋」へ、橋本一監督の『HOKUSAI』を見にいく。アパートから歩いて行ける映画館がずっと閉まっていて、不便きわまりなかった。
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映画『HOKUSAI』。
この作品、妙に仰々しい演出で、好みではなかった。若いころの北斎を演じた柳楽優弥(やぎら・ゆうや)が、やたら気難しい「芸術家」を演じていたが、わざとらしくていやだった。柳楽優弥が、ダイコン役者に見えてしかたがない。
吉原へいりびたりの歌麿。才覚があるのをひけらかさず丁寧に先輩に接する写楽。それぞれの個性を描きわけている、というより、いくつかの類型にあてはめているだけでは、とおもった。前半でよかったのは、浮世絵を出版する版元・蔦屋重三郎を演じる阿部寛。貫禄の演技。
後半、北斎が一気に老人になる。老人北斎を演じるのは田中泯。過剰な演出がめだたないくらい北斎が行きついた老境を熟演していた。
田中泯は、1945年生まれだからまだ75歳か76歳。それが90歳の北斎を演じる。迫力があった。わたしには、前半の阿部寛と後半の田中泯がよかった。
それから、もう少し葛飾北斎を触発した「日本の風景」(赤富士やいどみかかるような波の絵)を、人工的でもいいから実景として見たかった。黒澤明は、『夢』で、ゴッホが描いた風景のなかを寺尾聡(てらお・あきら)に歩かせたぞ。
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このところ気になっている1曲が、ビートルズの「It's All Too Much」(ジョージ・ハリスンの作品)。
だるころさんが、ビートルズの「It's All Too Much」をこころにかかった曲としてブログで紹介すると、次につるひめさんがブラシーボ(?)版をYouTubeからアップしてくれた。それも音楽・映像ともにおもしろかった。
その余波で、YouTubeに出てくる「It's All Too Much」をチェックしていたが、「オッ」とおもったのがポール・ギルバートの生演奏もの。この曲はビートルズがサイケデリック全盛の時代に発表した曲でいろいろな音響効果をかぶせている。なかなかライブ演奏するのはむずかしいそうだけど、さすがポール・ギルバートだ。生々しい演奏で聴かせてくれている。