いまも現役バリバリのリンゴ・スター。
7月7日(水)。曇り
リンゴの誕生日だ。ビートルズのリンゴは、81歳になった。
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日本でビートルズの最初のレコードが発売されたのは1964年。東京オリンピックの年。当初「プリーズ・プリーズ・ミー」が予定されていたが、アメリカで「抱きしめたい」がNO.1になると、急遽さしかえで「抱きしめたい」が日本での初シングルになった(恩蔵茂著『ビートルズ日本盤よ、永遠に』)。
わたしは、春には、ビートルズの魅力にとりつかれていたが、夏に公開された映画『ビートルズがやって来る ヤア!ヤア!ヤア!』を見にいって、完全にノックアウトされた(それから、この映画を何回見たろう?)。
映画のなかで、ドラムを叩くリンゴの姿が、永遠にわたしの記憶に刻みこまれている。リンゴ、23歳。
映画『ヤア!ヤア!ヤア!』の撮影のあいま?
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1973年、商業的にもっとも成功したアルバム『リンゴ』を発表。「 Photograph」(ジョージとの共作)と「You're Sixteen」の2曲のNO.1ヒット・シングルを出した。
ジョンが「おれにヒット曲の作り方を教えてくれ」と祝電を打っている(笑)。リンゴ、33歳。
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1970年代前半(ビートルズ解散後)は快調にヒットを飛ばしていたリンゴだけれど、1970年代後半から失速し、アルバムを創っても売れなくなる。
といってもこのころジョンもジョージも失速しはじめていた。ビートルズというバンドへの人気はどんどん高まっていっても、メンバーとしてはポール・マッカートニー以外スランプ状態にはいっていた。
パンク・ロックの時代に、リンゴもジョンもジョージもあわなくなっていた。その後ジョンは、活動を停止してしまう。
なかでもリンゴのスランプは、アルコール依存症も加わって深刻だった。
1983年に発表されたアルバム『オールド・ウェーブ』は、英米では発売されなかった(旧西ドイツ、カナダ、日本のみ発売)。リンゴ、43歳。
リンゴは、ときどきイベントや友だちのステージに飛び入りで参加。ドラムを叩き、喝采をあびてはいたが、まとまった音楽活動からは遠ざかる。わたしは、このままリンゴは音楽的にはフェイドアウトしてしまうのではないか、とおもった。
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しかし1989年、アルコール依存症を克服したリンゴは、音楽活動にもどってくる。リンゴ、49歳。
リンゴは、オールスター・バンドを結成した。ジョン・レノンが70年代はじめに結成したプラスティック・オノ・バンドのように、メンバーはそのつど入れ変わっていく流動的な形態のバンド。
リンゴは、そのころのインタビューで、回り道したが、おれの原点はやっぱり音楽なんだ、といっている。
その1989年には、ビートルズのソロ・メンバーとしては、はじめて来日し、日本武道館他で、コンサートをおこなった。
バック演奏には、ザ・バンド、イーグルス、Eストリート・バンド(ブルース・スプリングスティーンのバック・バンド)のメンバーほか、Dr.ジョン、ビリー・プレストンなど豪華ミュージシャンが、リンゴをサポートした。
1992年、9年ぶりのアルバム『Time Takes Time 』が発売される。リンゴ、51歳。
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その後、現在までリンゴ・スターは、長い間隔をあけることなく新作を発表しつづている。
ウィキペディアからその後発表されたアルバムを列記すると、、、
- 『ヴァーティカル・マン〜リンゴズ・リターン』 - Vertical Man (1998年)
- 『アイ・ウォナ・ビー・サンタ・クロース〜リンゴのクリスマス・アルバム』 - I Wanna Be Santa Claus (1999年)。現行盤では『クリスマス・コレクション』に改題されている。
- 『リンゴ・ラマ』 - Ringo Rama (2003年)
- 『チューズ・ラヴ』 - Choose Love (2005年)
- 『想い出のリヴァプール』 - Liverpool 8 (2008年)
- 『ワイ・ノット』 - Y Not (2010年)
- 『リンゴ2012』 - Ringo 2012 (2012年)
- 『ポストカーズ・フロム・パラダイス』 - Postcards From Paradise (2015年)
- 『ギブ・モア・ラブ』 -”Give More Love” (2017年)
- 『ホワッツ・マイ・ネーム』 -”What's My Name” (2019年)
2003年には、傑作アルバム『Ringo Rama』を発表(リンゴのドラムがクリアに録音された大好きなアルバム)。このアルバムには、ジョージ・ハリスンを追悼した美しいバラード「Never Without You」が収録されている。リンゴ、63歳。
2019年に発表されたアルバム『What's My Name』では、ジョン・レノンの未完のまま残された「Glow Old With Me」をカバー。リンゴ、79歳。
2021年3月には、ミニ・アルバム『Zoom In』を発表。フル・アルバムでないのが残念だけれど、内容はやっぱり好調をキープしている、というか、一段アップしている。リンゴ、81歳。
商業的な成功・不成功を気にせず、自分の好きな音楽を創り続けている充実感が、リンゴのどのアルバムからも伝わってくる。
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リンゴのソロ・アルバム第1作は、スタンダードのカバーを集めた『 Sentimental Journey 』(1970年)。お前はシナトラか(笑)。リンゴ、30歳。
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1974年発表のアルバム『Goodnight Vienna 』に収録。プラターズで有名なこの曲をリンゴ用にアレンジしたのは、ジョン・レノン。つるひめさんが、ライブでボーカルをとる曲だぞ。リンゴ、34歳。
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リンゴが歌うビートルズのカバー(ビートルズではジョン・レノンがボーカル)。バックにトム・ペティ、ジェフ・リン、ジョー・ウォルシュ、ジム・ケルトナーの姿が見える。トラベリング・ウィルベリーズのころか。だとすれば1987〜1988年ころ。リンゴ、48歳か49歳。
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2019年、最新の日本公演ライブ。ジョージ・ハリスンとの共作「想い出のフォトグラフ」を歌う。わたしは三軒茶屋の昭和女子大ホールで見た。リンゴ、79歳。
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あとは、ビートルズを2本。
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1964年、得意の「ボーイズ」を歌うリンゴ。熱いステージの興奮が伝わってくる。リンゴ、24歳。
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1963〜1965年ころの映像が編集されている。ポールが歌う「ロング・トール・サリー」だけど、リンゴのドラムをクローズ・アップしているのがおもしろい! 後半、リンゴの乱れ打ちが見られる。ドラマー・リンゴ、23歳〜25歳のころ。