「All Along The Watchtower 」は、『ジョン・ウェズリーハーディング』(1967年)に収録されている。
コロナの感染者急増のなか、五輪強行。
テレビは五輪一色。
菅首相の「人流は減っている。ワクチン接種が広がれば感染者は減る。トンネルの出口は見えている。オリンピックを辞めるのは簡単。挑戦するのが政治」という勇猛果敢な発言(?)をきくに、このひとは、わたしたちとはちがう国の風景を見ているのでは、と脱力する。
なんでこんなオトコがこの国の舵取りをしているのかわからない。
そういうときの気分転換は、わたしは、やっぱり音楽。
(動画は、長いものが多いので、聴いてくださる方は時間のあるときにどうぞ!)
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昨日は、YouTubeで、ボブ・ディランの「All Along The Watchtower(見張党からずっと) 」のカバーを追いかけていた。
大意は以下の通り。ボブ・ディランの歌詞の多くがそうであるように、意味をつかむのはむずかしい。
見張塔からずっと
「ぬけだす道があるはずだ」とペテン師がドロボウにいった
「あまりにもややこしく息つくひまもない
経営者たちはおれのブドー酒をのみ、農民たちはおれの土地をたがやす
そいつらのだれひとりとしてそのことの価値をしらない」
「もう興奮しなくてもいいさ」とドロボウはいたわっていった。
「おれたちの仲間でも多くのやつが生きることはペテンにすぎない
とおもっているさ。
だがあんたとおれはそんなことは卒業したしこれはおれたちの運命じゃない
ウソをしゃべるのはよそう夜がふけてきた」
見張塔からずっと王子たちが見張っていた。
すると女たちはみんな出たり入ったり、はだしの召使いたちもそう
していた。
とおくのほうではヤマネコがうなった。
ウマにのった男がふたり近づき風がほえはじめた。
「All Along The Watchtower 」は、1967年に発表されたボブ・ディランのアルバム『ジョン・ウェズリー・ハーディング』に収録されている。
オリジナル・ヴァージョンは、シンプルなカントリー・ソングで、原石そのものという感じ。
Bob Dylan - All Along the Watchtower (Audio)
参考までにボブ・ディランのオリジナル版を貼っておきます。聴いたことのあるひとは、跳ばしてください。
この曲を一躍有名にしたのは、ジミ・ヘンドリックスの同時代カバー。ジミ・ヘン版は、激しいロック・サウンドに変身している。
Jimi Hendrix Experience All Along The Watchtower
「All Along The Watchtower 」は、その後いろいろなミュージシャン(とくにギタリスト)にカバーされたが、その90%(全部は聴いてないので)は、ディラン版ではなく、ジミ・ヘン版を下じきにしている。
まずニール・ヤングとブルース・スプリングスティーンの共演。ふたりの熱量が合流して、すごいライブになっている。
www.youtube.com
ニール・ヤングの吠えまくるギターは、いつもわたしを感動させてくれる。
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次はジェフ・ヒーリー。
ジェフ・ヒーリーは、1988年にアルバム『シー・ザ・ライト』でデビューした盲目のブルース・ギタリスト。
アルバムを出した後、まもなく来日した。まだ注目度が低かったのか、「日本青年会館」で、前から3列目の席がとれた。ギターを、琴のように寝かせて弾くふしぎな奏法を、間近で見ることができた。
間近では見たけれど、寝かせたギターをどう弾いているのか、わからなかった(笑)。
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そして、いくつかの「All Aloneg the Watchtower」を見た後、1994年のボブ・ディランご本家のライブにぶちあたって、おどろいた。
イントロが流れ、ボブ・ディランの歌がはじまったとき、おもわず吹き出した。ディランは、どこまでもディラン!
BOB DYLAN -All Along The Watchtower (Live in Woodstock 1994)
彼は、既成の形を壊していく。誰のカバーよりも、大胆に。