かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

ウエダアツシ監督『うみべの女の子』を見にいく(9月29日)。

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9月29日(水)、晴れ。


ヒューマントラストシネマ渋谷」へ、ウエダアツシ監督の『うみべの女の子』を見にいく。内容はよく知らないが、予告編を見て興味をもった映画。


駅を出て、明治通りを歩いていると、陽のさしているところは暑いが、日陰は、風が気持ちいい。



彼女は憧れの三崎先輩に振られたショックから、かつて自分のことを好きだと言ってくれた内向的な同級生・磯辺と関係を持ってしまう。初めは興味本位だったが、何度も身体を重ねるうち、磯辺を恋愛対象とは見ていなかった小梅は徐々に磯辺への思いを募らせていく。



(「映画.com」より)
https://eiga.com/movie/94771/


www.youtube.com




えっ? 女子中学生が、男子生徒の家へいってこんな簡単にセックスしてしまうの?


と、頭の固いジイさんみたいなことをおもってしまうほど、この主人公の女子中学生・佐藤小梅(石川瑠華)は、好きな男の子とのセックスが日常化している。こだわりがない。


しかも、相手の男子中学生・磯部(青木柚)は、小梅を好きだとおもっているわけではない。侮辱するような言葉を、小梅に平気でぶつけてくる。


要するに、小梅を欲望の吐口にしている。それを知りながら小梅は磯部の部屋を訪ねていく。


磯部の家は、父が仕事でほとんど家にいない。兄は、いじめを苦に自殺してしまった。兄を自殺に追い込んだひとたちに磯部は憎しみをかかえて、ニヒルな男子になっている。


しかし、磯部の、兄への感情は十分には伝わってこない。


欲望の吐け口と兄を死に追いやったやつらへの恨みをぶつけられる小梅が気の毒だ。だけど、小梅は自分のほうから磯部を誘ったりするから被害者ともいえない、か。


ピカピカキラキラの青春映画ではないし、見ていてつまらなくはなかったけれど、自分の中学生時代とあまりに女性へ向かう態度がかけ離れているので、気持ちがはいっていけない。見て後悔はないけれど、見なくてもいい映画だったような気がする。


あっ、それから収穫だったのは、今泉力哉監督『街の上で』で、若葉竜也と20分(?)くらいのワンカット・シーンを演じた中田青渚(なかた・せいな)が出ていた。小梅の親友役。しかし、『街の上で』は大学生役、こちらは中学生役。ふたつの作品の撮影時期はどうなっていたのだろう。


原作は、浅野いにおの漫画。読んでいない。



電車のなかで、川本三郎著『映画のメリーゴーランド』を読む。古今東西の映画や文学が、時代を超えてひとつのキーワードでつながっていく(川本さんは路地から路地へつながる、と表現する)。映画のしりとり遊び。しかし、これができるのは、川本三郎さんの、映画や文学に対する圧倒的な知識量があるから。


川本三郎さんの本を1冊読むと、見たい映画と読みたい本が一気にふえてしまう。