かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

映画『コーダ あいのうた』を見にいく(2月19日)。

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2月19日土曜日。


中板橋駅のホームで妻と待ち合わせ、「TOHOシネマズ池袋」へ、シアン・ヘダー監督『コーダ あいのうた』を見にいく。


この映画は、つるひめさんがブログで絶賛されていたので、時間のタイミングがあえば見にいこう、とおもっていた作品。

つるひめさんのブログ記事はこちら(正直にいってしまえば、これを読んでいただけたら、わたしはとくに書くことがないです、笑)。


https://tsuruhime-beat.hatenablog.com/entry/2022/02/07/





www.youtube.com




でも、それじゃああんまりだから(笑)、少しだけ感想を・・・。



父・母・兄の家族のなかで、ひとりだけ健聴者の少女ルビー。


ルビーの家族は漁師を生業(なりわい)にしているが、人と人との交渉はルビーが手話を言葉に翻訳して、コンタクトをとっている。


家族にとって欠かせないルビーだが、それだけに彼女は自分の未来を自分のために思い描けない悩みがあった。


彼女は音楽の教師(このひとが変わり者でたのしい!)に才能を認められるが、自分が音楽の道をめざしたら、残された父・母・兄は、どうやって暮らしていくのだろう、と素直に将来の希望を思い描けない。


この作品こうした中心になるストーリーとは別に、脇役の登場人物がみんな個性的で見応えがある。


彼女の両親、音楽教師、ルビーの友だち。


つるひめさんが紹介しているように耳の聞こえない父母がめっぽう元気で明るい。


こんな場面があった。


ルビーの両親は、耳が聞こえないから彼女の友だちがやってきても、気づかない。ルビーがドアをあけて隣りの部屋をみると、堂々とセックスしている。


両親がこんなだから話はちっともジメジメしない(笑)。


ルビーの女ともだちもいい。クラスメイトの男性に気があるのか、とおもっていたら、ルビーの家にやってきて、彼女の兄をみると「マッチョね」としっかり狙いを定めて恋人にしてしまう。


しかしこの映画、女ともだちを浮気娘に描いているわけではない。


彼女は、ルビーの家族にまったく偏見をもっていない。耳の聴こえないルビーの「マッチョな兄」を恋人にしてしまう。おおらかで素敵な女性だ。


この映画は音楽がいい、というのもつるひめさんが、細かく解説されています。デヴィッド・ボウイやジョニ・ミチェルなど、わたしの好きな曲が劇中で歌われる。


そういえば、映画館の予告編などを見ていると最近デヴィッド・ボウイの曲を耳にすることが多い。亡くなったことが影響しているのだろうか。



あと、どうでもいい想い出をひとつだけ。


耳の聴こえないおとうさんが、ラジオかテープだか、音楽をもっと大きな音でかけてくれ、という。すでに十分大きいのに。


なぜかといえば、音は聴こえなくても、ベースの振動は感じることができるからだという。なるほどとおもった。


わたしは、中学生のころ、ステレオのあるちいさな部屋で、ビートルズローリング・ストーンズを大きな音で聴いていた。


よく両親のどちらかに「もっと音を下げて」といわれた。


ローリング・ストーンズの初期に「ハート・オブ・ストーン」という曲がある。この曲のビル・ワイマンの弾くベース音がすごくて、部屋の窓ガラスが振動で地震のように音をたてる(しかし、どんだけ大きな音だったのだろう?)。


それが一種の快感で、この曲になると、ベース音を最大にして窓ガラスを鳴らした・・・そんな映画とは関係ないことを想い出した。




しかしYouTubeでアップしてもそれほど迫力を感じない。レコードだったからか?
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ルビーの音楽への道は、変わり者の音楽教師、欲望が旺盛な両親(笑)、彼女の兄と、兄の恋人(ルビーの女ともだち)に支えられて、夢がひらけていくことを予感させて終わる。



帰り、池袋駅に向かう途中に居酒屋の「天狗」(地下)があったので、昼食に寄る。