5月8日(日)。
昼まで家のなかで昼寝と読書とYouTube。
午後、川越の「水上公園」までクルマでいって、妻と園内を散歩する。曇り日で、Tシャツでは少し寒いくらい。
海でも、湖でも、池でもいい。水のある風景をみると、心が落ち着く。
園内を半周してクルマへもどる。
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夜、近所で借りたDVDで、市川準監督の『トキワ荘の青春』を見る。
2021年にリバイバル上映したが、もともとは1996年製作の映画。わたしは今回見るのが3度めくらい。
1950年代の後半(昭和30年代)。
「トキワ荘」という、東京都豊島区の木造2階建てアパートへ集まった漫画家たちの青春を描いている。
映画には、みんな実名で登場する。
わたしが1970年代のはじめに住んだのも、廊下の両脇に部屋が並んでいる木造2階建てアパートだった。洗面所も便所も共同。もちろん、風呂はないので銭湯。
映画に出てくる「トキワ荘」は、わたしが住んだ東十条のアパートよりも部屋数は多いようだけど、基本的に同じようなつくりだ。
そのアパートへ、上にあげた漫画家たちが集まり(つげ義春は住んではいない)、互いに助けあいながら世に出ていく(もちろん、そうでないひともいる)。
わたしは1950年代の空気というのを、実はよく知らない。でも、貧乏をものともせず、のどかな日本で暮らす若者たちが懐かしい。親近感がわく。
永島慎二が描いた『フーテン』や『若者たち』にも(こちらはフィクションだが)、同じ懐かしさがある。
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あたりまえだが、「トキワ荘」に住んでいた全員が、漫画家として成功したわけではない。
主人公の寺田ヒロオも、最初掲載してくれていた漫画雑誌が倒産したあと、仕事を失ってしまう。
寺田ヒロオの作風は、ほのぼのとした少年野球が題材。
編集者から、時代が変わっていくなかで、内容が古いといわれる。もっと刺激あるものを、といわれる。
寺田は、少年たちに希望や幸福感を与えたいとおもって漫画を描いてきた。そのアドバイスを受け入れがたい。寺田は「トキワ荘」を去っていく。
わたしは、小学校の低学年のころ、寺田ヒロオの少年野球マンガを読んでいた記憶がある。野球が好きだったので、野球漫画も目にとまれば読んだ。あれが、寺田ヒロオというひとの漫画だったんだな、って映画を見て知った。
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むかし「トキワ荘」のあった場所の近くに「トキワ荘マンガミュージアム」があることを最近になって知った。近いうちに行ってみたい。
https://www.city.toshima.lg.jp/toshimanow/new/tokiwaso.html