たしかに、よく描かれた愛の物語だとはおもいましたが、まずは見終えて外国のひとは「しつこいなあ」というのが第一印象(笑)。
○強姦から愛へ発展するものなのでしょうか
きっとぼくが体質的にもっと淡白だからかもしれません。最初が強姦からはじまって、あんなふうに「愛の物語」に発展していくものなのでしょうか。
強姦されても、女性は傷つかず(たとえ、一時的に傷ついたとしても)、その人を愛するようになっていくのでしょうか……そういう命題の方がぼくには関心が向いてしまいます。映画はそこを、スッーと通過しています。原作がそうなのかな?
映画じたいは、じっくり描かれております。監督・脚本・主演のセルジオ・カステリットは、陰翳のある表情で、男のだめさかげんをじっくり演じています。
ペネロペ・クルスは、ちっとも美しいとは思えない痩せこけた貧しい女を好演しています。女優がこういう役を引き受けるというのは、体当たりといっていいのでしょうか。
作品としてはよく出来た映画のようにおもうのですが……。
【評価】:★★★☆☆
飯田橋ギンレイ・ホールにて【END】