かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

中江功監督『シュガー&スパイス 風味絶佳』(2006年)


シュガー&スパイス 風味絶佳 [ 柳楽優弥 ]

山田詠美の短編小説「風味絶佳」を原作に、うぶな青年の初恋と失恋、成長を見つめたラブストーリー。もどかしくも初々しい恋の行方を、『冷静と情熱のあいだ』の中江功監督が繊細に描き出す。主演は、『誰も知らない』でカンヌ国際映画祭最優秀男優賞を史上最年少で受賞した柳楽優弥。初恋の相手役を、『パッチギ!』で数々の映画賞を総ナメにした沢尻エリカが演じる。主題歌を歌う人気ロックバンドのオアシスが、初めて邦画に楽曲を提供したことでも話題を呼んでいる。


(「yahoo!映画」より)


レンタルDVDで見ました。

大学へ行かず、ガソリンスタンドに勤めた少年が、そこで知り合った年上の女性に恋をする。完璧な女性……少年にはそうおもえる。命がけの恋、このひとのためなら、何を投げ出しても惜しくない、と少年は想う。

こんな一途な少年の想いを、柳楽優弥(やぎら・ゆうや)が、完璧に演じています。ほとんどセリフもないのに、少年の心の動揺、悲しみ、やりきれなさが、寡黙な演技から痛いほどに伝わってきました。



少年が憧れる女性を演じた沢尻エリカもいいなあ。こんな清純さとコケティッシュな魅力を兼ね備えた年上の女性がいたら、少年がメロメロに恋してしまうのも、ムリないもの。

失恋したばかりの美しい女性に知り合った少年は、運がいいのかわるいのか。優しい少年のこころに一時的に女性は惹かれるが、こころはいつかよそへ飛んでしまう。

「女性には、優しいだけじゃだめ」

これがこの映画のテーマ。少年は、体験でそのことを知る。男性のおおくは、思い当たる経験が1つか2つあるのでは。

そこで「シュガー&スパイス」というタイトルが意味をもってくる。

最近見た若い男女の恋愛映画では、群をぬいておもしろかった。