かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

日向寺太郎監督『誰がために』(2005年)


誰がために [DVD]


写真館を継いだ民郎(浅野忠信)は、幼なじみが連れてきた、友人亜弥子(エリカ)と恋に落ちる。二人には、寂しさで惹かれあうものがあった。


亜弥子は妊娠し、幸せな日常がはじまったが、たまたま街で彼女を見かけた少年に殺害される。動機らしい動機もなく、あまりにも簡単すぎた。


少年法に保護された犯人は、思いのほか軽い刑で、少年院を出所する。


理性でコントロールしようとしながらも、抑えがたい犯人への憎しみがふくれあがる……民郎は、ナイフを持って亜弥子を殺害した少年に近づく。


★★★


復讐劇にすることなく、深く愛した恋人を、突然殺害された、民郎の喪失感と悲しみをていねいに描いています。自然流の演技で、深い内面を表現できる浅野忠信が、まぶしいくらい素晴らしい!


監督の日向寺太郎について、ぼくは全然知識がありませんでしたが、「goo」の解説を読んで、黒木和雄監督の助監督をしていたことを知りました。注目したい新鋭監督のひとりです。