- 制作:1960年/フランス、イタリア
- 出演:アラン・ドロン / アニー・ジラルド / レナート・サルヴァトーリ / クラウディア・カルディナーレ / カティナ・パクシノウ
イタリア南部で暮らす貧しい一家。ミラノで働く長男を頼り一家は街に引っ越す。次男シモーネ=レナート・サルヴァトーリと三男ロッコ=アラン・ドロンはプロボクサーを目指しジムに通う。シモーネは娼婦のナディア=アニー・ジラルドと知り合い、もてる才能を捨て退廃的な道に身を落としていく。そんな彼に絶えられなくなったナディアは彼の前から姿を消す。そんな彼女に徴兵のための寄宿先でロッコが出会う。お互い惹かれあっていくのだが・・・。巨匠ルキノ・ビスコンティが彼のお気に入りドロンを軸に兄弟愛、嫉妬、人の心に巣くう何かを映像に纏め上げた。
(「CinemaScape」のあらすじ、から)
イタリア南部から引越してきた貧しい一家6人が、ミラノで暮しながら体験する喜びと悲しみ、とでもいうような話。
悲しみの原因は、次男シモーネ(レナード・サルヴァトーリ)によるもので、はっきりしている。しかし、ただ個人的なだめ男で、だめ男が好きなぼくでも、まるで共感できない。途中ばからしくなってきた。彼を不幸に導くのは娼婦ナディア(アニー・ジラルド)だが、これも人物描写が平凡。
聖人のような三男ロッコ(アラン・ドロン)が、兄弟思いで、駄目男=シモーネの転落を救おうとする。ところが、なんの展望もない自己満足の救済だから、シモーネはますます転落を加速して殺人まで犯す。月並みといえば月並みな結末。
都会生活は、素朴な一家を不幸にするとでもいいたいのか。大味な作品で、3時間以上の大作が、それ以上に長く感じられました。
★10月4日、池袋新文芸座にて