かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

ビートルズの音楽に絶大な成果をもたらしたジョンとポールの才能開花のズレについて(tougyouさんへのコメントに代えて)

むかしメーリングリストビートルズ探検隊」で、Blackbirdさんというメンバーと意見交換した話を書かせていただきます。


【注】tougyouさんのブログは、こちらです。



tougyouさん、「イン・マイ・ライフ」は、静かでとても味わい深い曲ですね。ぼくはビートルズのなかでジョン・レノンだけを特別のように論じるひとをあまり信用しませんが*1、この曲をつくったジョンが24歳か25歳だとすると、早熟というのか老成しているというのか、凡庸な人間には、とうてい対抗できない気がしてしまいます。


これは、そのときBlackbirdさんとぼくが一致した考えですが、宮城音弥の「天才」(岩波新書*2という本のように、天才にはそれぞれ、その人生に才能を発揮するピーク時というのが限定された年齢の期間にあるとすれば、ジョン・レノンはデビュー以前から1965年くらいまでで(特にヴォーカルが凄い!)、そのピークの最後に作曲者としては「イン・マイ・ライフ」や「ノー・ホエアー・マン」のような、陰影をもった傑作をつくっています。


ちなみにポールの天才のピークは、少し遅れて、ジョンの才能の影で急速に成長しながら、1966年よりグループ解散にかけてどんどん膨れ上がり、ジョンを凌駕するほどの存在になっていきます。


このジョンとポールのピークのズレがビートルズというバンドの音楽に奇跡的な成果をもたらしている、というのがBlackbirdさんとぼくの<見方>でした。


反論ももちろん多いでしょうが、きっと共感してくださるビートルズ・ファンの方もいらっしゃるのではないか、とおもいます。



蛇足ですが、、、


しかししかし、というとビートルズは、ジョンとポールの二人の天才で構成されたバンドなのか、というと、それは違います。


もうひとりの素晴らしいメロディ感覚と人生哲学をもったギタリストがいて、さらに、天性の鋭いリズム感をもった、凡人のような顔をした天才ドラマーが後方に控えて(笑)、はじめて<不世出のバンド>が完成されていることは間違いない、とおもいます。

*1:ビートルズはジョン・レノンがすごいんだろう?」なんていわれると、もうそれから先を話すのがいやになります(笑)。

*2:学生時代、かれこれ40年前くらいに読んだ本だけど、いまでも出版されているのかな? おもしろい本なので、ずっと記憶していました。