4月29日、極貧荘の近くからバスに乗り、赤羽へ。立呑み「いこい」で飲む。帰りは、電車で池袋へ出る。
「新文芸座」をのぞいてみると、「増村保造と若尾文子」の2本立てをやっていた。
夜から仕事なので、少し眠っておきかった。見ていて眠くなったら、そのまま睡眠を補給してもいい、とおもって中へはいる。
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『偽大学生』(1960年)と『からっ風野郎』(1960年)を見る。
『偽大学生』は、大江健三郎原作で、T大生(東大だろう)に憧れ、学生運動の一員としてまぎれこむ青年の話。主演をジェリー藤尾が演じている。
『からっ風野郎』は、ヤクザと、その男を愛した女の話。主演のヤクザを三島由紀夫が演じている。
若尾文子は相変わらず美しいが、川島雄三作品のように、その美しさが人物描写のなかに生かされているわけではない。人物は個性などなくて、ただ、女優若尾文子が、そのまま美しいだけだ。
この監督は、素材の刺激性だけを強調して描いている。つまらなかったが、途中未練なく眠れるので、かえってよかった。
適当に睡眠を補給して、極貧荘へ帰る。