かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

天願大介監督『デンデラ』(公開中)




姥捨伝説のその後。


<お山>に捨てられた老女たちは、山の中で助けられ、生きていた・・・というワクワクするような設定ではじまる。


設定はワクワクするけれど、どのように展開して、最後を収束させるのか。それが凡庸だと失望するかもしれない、とおもいながら初日(6月25日)、見にいく。



雪山のなかで、原始人のような共同生活を送る老婆たち。その異様なメイクが圧倒してくる。


50人の老婆の力を結集し、自分たちを生きながら捨てた村人たちへ復讐しようと企てるが、強大な熊や雪崩に襲われ、なかなか計画を果たすことができない。


この物語を、何かの象徴として考えることができるのかもしれないが、わたしは何も考えず、緊迫した迫力を素直にたのしんだ。



浅丘ルリ子草笛光子倍賞美津子山本陽子、白川和子、赤座美代子・・・などの華やかな女優たちが、シワだらけの老婆を演じている。


出演者の全部が(一部男優も出ているが)老女というのも、なんだが凄い光景である。


その異様な迫力に目を奪われ、すこしも飽きなかった。