マーティン・スコセッシ監督『ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』がきょうから公開(12月19日)。
雨のなか、ひさしぶりに上野の立呑み「たきおか」へいく。さんまの刺身、湯豆腐、あん肝、ポテトサラダ、ネギマを肴にチューハイを4杯。天気が悪いので、上野公園の散歩を省略して、銀座線から丸の内線へ乗り換えて新宿3丁目へ移動。
上映館の新宿ピカデリーは、予約で、満席に近い状態でした。
(以下、「ビートルズ探険隊」へ投稿したものと同じ)
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どちらかというと、後半のソロ時代になってから、気持ちがはいってきました。はじめて見る映像も、続々出てきましたし。
注目していた74年のライブですけど、「ホワット・イズ・ライフ」と「ダーク・ホース」の演奏シーンが映りました。けど、途中で切れてしまうのは残念。演奏じたいは、あのころいわれたほど悪くなくて、これはこれでコンサート全体を見たら、けっこういいのでは、と改めておもいながら、もっともっとこのコンサートを見たいとおもいました。
ringoさんがいわれていますけど、オリヴィアのコメントがとても聴きこたえがありました。おおげさな表現を使わず、ポイントポイントを抑えて、時には、凄いことをユーモラスに話しているのが、とても知的にかんじられました。
あの腹立たしい侵入者と、ジョージとオリヴィアは、お互いを救おうとして、身をもって闘ったんですね。
ほかにも、インタビューにこたえるひとりひとりが、ジョージに特別な親密感をもっているのが伝わってきます。「わたしが一番の親友ではないかもしれないけど」と断りながら、ジョージとの楽しかった交流を語るひとたちをみて、どうしたらジョージのように友情を強く長く維持できるのか、あきっぽい自分と比較して、考えるところも、ありました。
リンゴは、最後にジョージとあったときの様子を語りながら、不意に言葉を詰まらせる・・・テレ笑いしながら涙をぬぐうリンゴ、これには、おどろきました。
リンゴのおもわぬ動揺は、二人のビートルズ結成時からの強い結びつきを、いまさらに思い起こさせる感動のシーンになっています。
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ただ、音楽的には、意外にものたりない気がしました。
ジョージのソロ時代に時間を割いているわりには、映画に使われている曲の時期に偏りがあります。人間性に焦点をあてようとしたにしても、もっと音楽を通してもジョージを掘り下げてほしかった、というのは贅沢でしょうか。
エバリー・ブラザーズの「レット・イット・ビー・ミー」のジョージ版が聴けたのは、「おおっ」とおもいました。
『クラウド・ナイン』、『トラベリング・ウィルベリーズ』、『ブレインウォッシュド』と、ジョージの後期の音楽に一番かかわっていたジェフ・リンのインタビューを取材してないのも、音楽的な掘り下げが十分でない証しのようにかんじました。
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ということで、もう1回分前売りが買ってあるので、来週見てきます。見落としたり、印象が変るような、そういうところがあったら、またご報告いたします。
でも、ジョージ・ファンには100%満足できなくても、うれしい映画にはちがいありませんでした。