かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

山下敦弘、今泉力哉監督『午前3時の無法地帯』を見る。



山下敦弘監督のファンなので、レンタルビデオ屋さんの山下監督の棚を見ていたら、この作品をみつけた。劇場映画ではないらしい。


beeTVで配信が開始された」と説明にあるけれど、じつは「beeTV」がどういうものかもわからない。



とにかく山下敦弘監督がかかわっているならいいや、とおもってレンタルして見たら、これがおもしろい。


パチンコ屋専門のポスターやチラシなどを創るデザイン事務所へ勤める女の子の話だけど、この女の子がとっても可愛い。こういう思春期の女の子を繊細に描くのが、山下敦弘監督は驚異的にうまいのだ。


山下敦弘監督、夏帆主演の『天然コケッコー』(2007年)のおもしろさを思い出す。


事務所のハードな仕事に、徹夜の連続で奮闘する「ももこ」を演じるのは、本田翼という若い女優。はじめてみるけれど、この役柄にぴったりで可愛かった。


ももこのデザイン事務所につとめるひとたちも、ふざけすぎないし、甘すぎないし、厳しいようでどこかあたたかい感じ・・・そのサジ加減のよさが、山下敦弘監督作品ならではの、うまさ。


ももこが恋する相手は、オダギリ・ジョー。ふたりはどのくらい歳が離れている設定なんだろう。おとなとこどもの恋愛、というように見えてしまうけれど、終始優しいオダギリ・ジョーの、ももこへのあたたかい目線がいい。


デザイン事務所の慌ただしさ、忙しさも見ていて大変だなあ、とおもうが、そんななかで、ももこが少しずつたくましくなっていく。あと味の心地いい作品だった。