かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

石川慶監督『愚行録』を見る(2月19日)



2月19日の日曜日、妻と川越を出て、「イオン板橋」へ石川慶(いしかわ・けい)監督、妻夫木聡満島ひかり主演の『愚行録』を見にいく。この映画はわたしより妻が乗り気で、川越の映画館でやってないので東武練馬まで見にくることになった。川越から東武練馬まで、「週刊金曜日」の特集記事「『多喜二の時代』と共謀罪」を読む。


「特別秘密保護法」、「戦争法」、「原発再稼働」、そして治安維持法が形を変えた「共謀罪」。安倍政権のやりたい放題。いつになったら、歯止めが効くのか。


週刊金曜日 2017年 2/10 号 [雑誌]

週刊金曜日 2017年 2/10 号 [雑誌]



ひとも羨むような理想的な家族3人が惨殺され、雑誌記者(妻夫木聡)の犯人を捜すための聞き込み取材がはじまるが、この一家の意外な素顔が見えてくる。夫(小出恵介)は、恋人をつくってはその家柄を自分の出世に役立てようとする野心家であり、妻(松本若菜)は、つねに大学やサークルの憧れの女性だったが、それを承知でさりげなく周囲の女性を傷つける意地悪さを隠しもっていて、彼女に憧れた女性は、いつか彼女に嫉妬と憎しみを抱いていた。


妻夫木の妹は、育児放棄の罪で、服役している。彼女は、心を病んでいた。一見、この妹の心の病気と一家惨殺事件は別々のことのようだが、事件の本質が見えてくるにつれて、ひとつに重なってくる。


人の欲望と嫉妬や憎しみ、そういう人間につきまとう「愚行」の数々が露わになっていく、一種の心理サスペンス映画。


脚本は、以前山下敦弘監督作品でしばしば脚本を書いていた向井康介。この複雑なドラマ構成は、向井康介の仕事か。幾重にも入り組んだ人と人の人の関係を、少しずつ明らかにしていく。


おもしろい、というのともちがうが、退屈はしなかった。妻夫木聡満島ひかりは、やっぱり見せてくれる。しかし、テーマがむずかしいのか、どこか冷めたまま見終わった。


冒頭のバスのシーンがいい。


『愚行録』予告編
https://www.youtube.com/watch?v=hkqxIgwRR4g



映画館へ妻の姉と甥がきて、映画館のある5階の食堂でいっしょにお昼をとる。妻は、姉と甥に同行し、わたしはひとりアパートへ帰る。