かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

エミリオ・エステベス監督『パブリック 図書館の奇跡』を見る(8月2日)。

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8月2日、日曜日。雨がずっと続いてうっとおしいかったけど、その雨がやんだとおもうと、一気に気温が上昇。


コロナ→大雨→炎暑とつづき、町をのんびり歩く気持ちのいい季節を失ってしまった。


エミリオ・エステベス監督・脚本・主演の映画『パブリック 図書館の奇跡』を見たかったが、近くの映画館でやっていない。


それで、さいたま新都心にある「MOVIX さいたま」という映画館へ、クルマでいく。はじめてだ。


駐車場がひろくて迷った。「コクーン1」 、「コクーン2」、「コクーン3」と、入り口のちがう広い駐車場が3つあって、最初目にはいった「3」にはいってから、警備員さんに聞いたら、映画館は「1」だと教えてくれた。そこをいったん出て、「コクーン1」をさがす。


早めにきたので、あわてることはなかったけれど、時間がないときなら焦りそうな状況だった。


クルマをとめてから、まだ時間が40分くらいある。


妻はお店をのぞいてくる、といい、わたしはコーヒー屋さんをさがして、時間まで読書タイム。



2020年の本屋大賞を受賞した、凪良ゆうの『流浪の月』の終盤を読む。先に読了した妻は、「とにかくおもしろいよ」、という。妻の読書の感想は、「おもしろいかおもしろくないか」の二択で、それ以上の複雑な分析はしない。




・・・両親からすてられた少女。少女は、親戚の家にあずけられるが、その家に彼女の居場所はなかった。しかも、夜になると、年上のいとこ(従兄)が、少女の部屋に忍んでくる。


少女は、家に帰りたくなくて、近くの公園で長い時間を過ごす。そのとき、いつも公園にいる手足の長い痩せた青年が、彼女に話しかけてくる。


「ぼくの家へくる?」


誰にも理解されない少女と青年の心の深い結びつきが描かれていく。





映画『パブリック 図書館の奇跡』予告編



オハイオ州シンシナティ公共図書館のワンフロアが約70人のホームレスたちに占拠された。記録的な大寒波の影響により、市の緊急シェルターがいっぱいで彼らの行き場がなくなってしまったのだ。彼らの苦境を察した図書館員スチュアートは図書館の出入り口を封鎖するなどし、立てこもったホームレスたちと行動をともにする。




(「映画.com」より)
https://eiga.com/movie/92506/


大寒波で、路上生活者のなかに凍死するものが出た。彼らは、図書館へひと晩泊めてもらえないか、と図書館員に頼んでくる。公共の図書館に路上生活者たちを泊めることはできない。しかし、彼らが泊まることのできる緊急シェルターは、そもそも全員を収容できるだけのスペースがなかった。


あぶれたものたちは、大寒波のなかで、行き場を失う。


公共施設である図書館とは、何か。


路上生活者を閉めだしてルールを守るのか、彼らに緊急の宿泊所として場所を提供するのか?


図書館員のスチュアートは、ルールを破って70人の路上生活者たちと図書館に籠城するが、建物の周囲を警官隊に包囲される・・・。


テーマは重いけれど、見た感じはそうでもない。笑わせてくれる場面がいっぱいある。路上生活者たちも、いっぱひとからげ、ではなく、主要な何人かは、きちんと描きわけられている。


メディアは、大々的に中継するが、起こっている問題や真実などはどうでもよい。ただセンセーショルな立て篭り事件として、勝手な憶測を茶の間へ流し続ける。


図書館員のスチュアートも、かつてアルコール依存症で、路上生活をしていたことがある、という過去が暴き出される・・・。


この包囲戦、落としどころはどうなるのか、とおもっていたら意外な結末が待っていた。



帰り道、回転寿司へ寄る。


わたしは、ビールとハイボールを飲み、そこからあと妻と運転を交代する。