かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

映画の覚え書2本(『あちらにいる鬼』『ランディ・ローズ』)。

11月12日(土)。
『あちらにいる鬼』はたのしみにしていた1本。妻の運転で「ウニクス南古谷」へ見にいく。






作家・井上荒野が自身の父である作家の井上光晴と母、そして瀬戸内寂聴をモデルに男女3人の特別な関係をつづった同名小説を、寺島しのぶ豊川悦司の主演で映画化。




(「映画.com」から)


瀬戸内寂聴さんが出家するキッカケになった恋愛を描いている。


長内みはる(おさない・みはる=寺島しのぶと、作家の白木篤郎(豊川悦司は、講演先で知り合い、たちまち恋愛関係になる。


白木には妻(広末涼子も、愛人もいた。


映画は、「長内の」「白木の」「白木の妻」の、3つの視点からそれぞれの想いを描いていく。


もっとも白木篤郎の想いというのはそれほどでもない。彼はただ気にいった女性がいれば(相手もそれでいいなら)、抱く。彼は本能に忠実。生き方はシンプルだ。


苦しむのは、長内であり、白木の妻であり、愛人たち。


長内みはるを演じる寺島しのぶも、白木の妻役の広末涼子もよかった。寺島しのぶのうまさはどの映画を見てもなっとくだけど、広末涼子は、「いいなあ」とおもうのははじめて。


白木篤郎を豊川悦司が演じれば、女性にモテるのはわかるが、モデルになった井上光晴ってそんな魅力的な男性だったのだろうか‥‥なんて、よけいなことも考えてしまった(笑)。


長内みはるのモデル・瀬戸内寂聴は出家してもお酒は飲むし、肉も食べる。禁じているのはセックスだけ。でも、それが彼女にとっては、人生におけるもっともむずかしい課題だったのだろう。


いちばん感銘を受けたのは、髪を剃って僧衣(そうい)姿になった寺島しのぶ。タクシーのなかで、悲しみとも決意ともわからない、なんともいえない表情をする。


原作が、井上光晴(白木篤郎のモデル)の娘、井上荒野だというのもすごい。


自分の父母を、両親としてではなく、ひとりの男として、女として、突き放して見ている。




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11月16日(水)。
「新宿シネマカリテ」へ映画『ランディ・ローズを見にいく。






ランディ・ローズは、ハードロック・シンガー、オジー・オズボーンの初代ギタリスト。ギター・プレイの華やかさに加えて、彼の美貌も人気を集めた。


スーパー・ギタリストには、エリック・クラプトンのようなブルース系と、リッチー・ブラックモア(ディープ・パープル、レインボー)のようなクラシック系とがあるけれど、ランディ・ローズは、後者の代表的プレイヤー。


ランディは、1982年3月19日に飛行機事故で亡くなっている。25歳。若すぎる!


オジー・オズボーンをはじめ、彼と交流があったひとたち、彼を敬愛しているひとたちが、ランディ・ローズについて語る。


欲をいえば、大きなスクリーンといい音で、ランディ・ローズのギターのすばらしさを、もっともっとたくさん浴びたかった。




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