かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

東京ステーションギャラリー『春陽会誕生100年 それぞれの闘い』を見にいく(10月4日)。




10月4日㈬。曇り。涼しくなった。
12時、東京駅丸の内北口でtukaさんと会う。


東京ステーションギャラリー」で、『春陽会100年 それぞれの闘い』を見るため。

春陽会は1923年に第1回展が開催された、現在も活発に活動を続ける美術団体です。民間最大の美術団体だった日本美術院の洋画部を脱退した画家たちで構成された創立会員を中心に、新進気鋭の画家たちが加わり新団体「春陽会」を結成しました。



彼らは同じ芸術主義をもつ画家たちの集団であろうとはせず、それぞれの画家たちの個性を尊重する「各人主義」が大事であると考えました。また、春陽会の展覧会には油彩だけではなく、版画、水墨画、さらには新聞挿絵の原画などが形式にとらわれずに出品されました。そして、春陽会では画家たちが互いの作品を批評しながら芸術のために研鑽を積み、次世代育成をも念頭に基盤を固めていったのです。




(「美術館・展覧会情報サイト アートアジェンダ」HPより)
https://www.artagenda.jp/exhibition/detail/7927

【創立会メンバー】


知らない画家が多かったが、思い思いの技法で、才能を発揮した作品(油絵、水墨画、版画、挿絵)は、見ごたえがあった。



大正時代は、文学では、雑誌『白樺』(武者小路実篤志賀直哉、里見弴、柳宗悦、長与善郎…)が、自己主義、個性主義のもとに、文壇で活躍していたが、画壇でも、型にはまらないさまざまな作風の画家たちが集まって「春陽会」が結成され、それぞれに自分の個性を発揮して活躍していた。


国家主義、家族主義が中心を占める近代日本の歴史のなかで、大正時代の、この一時期、人間ひとりひとりの個性や特性を重視する思想が、文壇や画壇のなかで、ひとつの潮流となっていたのは、いま振り返ってちょっとうれしい。



両国へ足をのばす。


いま「江戸・東京博物館」が長いリニューアル期間にはいって休館。そのせいもあって、最近両国から足が遠のいていた。

最初に、関東大震災(1923年)や東京大空襲(1945年)の死者を祀る「東京都慰霊堂」へいく。





東京都慰霊堂」。(都立横網町公園のサイトより)。


建物内部の壁いっぱいに、東京各地の、震災で壊滅した街や、戦争末期、アメリカによる無差別爆撃で、一面瓦礫の山と化した東京市街の絵が、大きな額のなかに納められている。


敷地内には、関東大震災で虐殺された朝鮮人を追悼する石碑もある。



両国から秋葉原乗り換えで、新宿へ。


新宿駅西口のビル8階にある「天狗」で、tukaさんと夕食(わたしは酒あり、tukaさんは一滴も飲まない)。


お酒の勢いで、本や映画やストーンズや「れいわ新選組」の各地でやっているデモの話をしていたら、4時間近く経っていた。


JR新宿駅西口で、八王子へ帰るtukaさんと別れる。


この日、雨が降るという天気予報だったので、傘を持参したが、最後までささずにすんだ。