かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

古今亭志ん生の本

古今亭志ん生 (KAWADE夢ムック)
古今亭志ん生の自伝を2冊、読みました。ともかく、家にお金があれば、それを持ち出して酒やバクチに使ってしまうんですから、手元に残るわけがありません。極貧生活も、それを芸の肥やしにした志ん生師匠はいいものの、妻のおりんさんのご苦労はどれほどであったか、とそればかり読んでいると気になりました。

せんだって、「KAWADE夢ムック文藝読本 古今亭志ん生」を読んだばかりなので、志ん生本人の語り下ろしといっても、新しく知る事実はほとんどなくて、以前読んだ本を読み返しているような気がしました。おもしろくなくはないのですが、新鮮でもありません。

なめくじ艦隊―志ん生半生記 (ちくま文庫)
古今亭志ん生なめくじ艦隊」(1956年に初出版)は、初の自伝。志ん生の語り下ろしを文章にしたのは、故金原亭馬の助(きんげんてい・うまのすけ)だそうです。名人の語り口はなめらかですが、さほど生々しくないのは、「真実の自伝」というよりも、志ん生芸談だからかもしれません。

同じく古今亭志ん生名義の「びんぼう自慢」は、1969年、亡くなる4年前に語り下ろされたもの(1973年9月21日83歳没)。取材・聞き書きは、小島貞二

びんぼう自慢 (ちくま文庫)
こちらは、晩年の志ん生が、わが生涯をふりかえったものですが、語り口も話の内容も「なめくじ艦隊」とほぼ同じでした。やはり、これも志ん生の本格的な自伝というより、芸談の延長としてみたほうがいいようです。志ん生の語り口が完成されているからか、2冊続けて読むとちょっと飽きてきます(笑)。

そんなこんなで、最近もっぱらCDと本で、落語にはまっています。