朝シャワーを浴びて新宿へ向かう。新宿ピカデリーで、スティーヴン・フリアーズ監督『あなたを抱きしめる日まで』の初回を見る。
朝個人タクシーの仕事からもどって、少ししか寝ないまま出てきたので、眠い。前半気がついてみると意識がうっすらして、睡魔に負けていた。後半やっと作品に気持ちがはいっていったが、これでは映画を見た、といえる状況ではない。いつかもう一度見直してみたい。
近くの立飲み「かぶら屋」で、お昼を兼ねて飲む。おでんとやきとんで、酎ハイ1杯、緑茶ハイ3杯。
夜のジョニー・ウィンターのライブまで時間があったので、ベンチで睡眠補強しようと、新宿御苑へいってみる。八重桜が見ごろで、園内は混んでいた。奥のすいているベンチを探して寝ようとおもったが、空は曇っていて、風も冷たく、ベンチで昼寝するような天気ではない。
千駄ヶ谷門から御苑を出て、国立競技場前から大江戸線で六本木へ出る。寒いので六本木交差点の「後楽苑」で、ラーメンと生ビール1杯。18時の開演までまだ時間があったので、六本木ヒルズのなかを歩いてみる。
17時40分ころ、きょうの会場「EX THEATER ROPPONGI」へはいる。ここでライブをみるのははじめて。先日のボブ・ディランのときのようにスタンディングではないので、座席をさがして読みかけの大場健治著『銀幕の恋 田中絹代と小津安二郎』を読む。
事実をもとに想像をまじえたフィクションで、おもしろい。戦前の映画界(なかでも松竹)を舞台にした本は、なぜおもしろいのだろう。映画界に勢いがあったからだろうか。
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18時少し遅れてジョニー・ウィンターのライブがはじまる。
最初バック・バンド3人の演奏でスタート。これがハードなロックでガンガンくる。ドラムも強烈。1曲終わって、今夜の主人公ジョニー・ウィンターが登場する。
お付の女性に支えられてそろそろ歩くジョニー・ウィンターは、むかしのおじいさんのイメージそのもので、からだが前へ曲がっている。
舞台中央のマイクの前にある椅子にすわったままの歌と演奏。よく聞こえるのは、曲の前の「ワン・ツー・スリー」のカウントだけで、歌がはじまると、バックの演奏に埋もれて歌が聴きとれない。
「百万ドルのギタリスト」の異名を持つギターのほうはどうなのか、と期待していたが、印象に残るフレーズは、バック・バンドのギタリストが弾いていたりする。
それでも、後半のスライド・ギターは少し満足した。
ミック・ジャガー、ポール・マッカートニーなどの世代があまり元気なので、その衰弱ぶりにおどろくが、おもえば、70歳という年齢はこちらのほうが、年相応なのかもしれない。
ライブ時間は、1時間30分ほど。舞台から去るときも、お付の女性やバック・バンドのメンバーに支えられるようにして、歩いていく。若いときの威勢のいい映像が頭に残っているので、ちょっとさびしくないでもないが、それでも、長年見たかったジョニー・ウィンターをホール会場で見られたのは、うれしかった。
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