かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

成瀬巳喜男監督『はたらく一家』(1939年)

プロレタリア文学の作家、徳永直が原作。 映画をみたついでに、原作を読もうとおもい、地元の図書館で検索してみても、ひっかかってこない。いまも原作を探している。 ★ 昭和10年代の不況が背景。 父と長男が働き、母も内職をしてるけれど、一家の生活は厳し…

貴田庄著『原節子 あるがままに生きて』

現役時代の映画雑誌などに掲載された、原節子本人の言葉や、彼女を直接知るひとたちの証言を引用しながら、原節子の生涯をたどっていきます。 文字量、情報量からいえば、以前読んだ、千葉伸夫著『伝説の女優原節子』 のほうが圧倒的なので、詳しく知りたい…

木下恵介監督『野菊の如く君なりき』(1955年)

tougyoさんと知り合うきっかけにもなった作品。久しぶりに見て、また感動する。 墨絵をみるような画面の美しさは、子どものころ見たときよりも、さらに深く感銘を受けた。 この映画を見る限りでは、木下恵介は小津、成瀬、黒澤に匹敵する名監督だとおもう。…

黒野伸一作『万寿子さんの庭』

先日、71歳の遠い親戚のおばあちゃんと同居する20歳の娘の関係を、淡々とした筆致で描いた、青山七恵作『ひとり日和』を読んだばかりだけど、こちらも、20歳の娘・京子と、近くに住む変わり者のおばあちゃん(78歳)の交流を描く。 朝、「おはようございます…

小林義則監督『きな子 〜見習い警察犬の物語』(上映中)

川越から近い、南古谷の映画館で見る。先日DVDで『マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと』を見たけれど、今日の映画も、あんまり警察犬の素質に恵まれているとはいえない、ドジな<見習い警察犬>を主人公にしたものがたり。 犬が主人公の映画は…

デイビッド・フランケル監督『マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと』(2008年)

『プラダを着た悪魔』のデイビッド・フランケル監督が贈る、泣いて笑って胸いっぱいのハートフル・コメディ!子育ての予行演習のために犬を飼うことにしたジョンとジェニーの新婚夫婦。ところが、マーリーと名付けられたラブラドールレトリバーの子犬は、手に…

クリストファー・ノーラン監督『インセプション』(上映中)

妻の運転で、南古谷の映画館へ、午前9時15分からの『インセプション』を見にいく。 予感はあったが、裏切ってほしい、という期待もあった。けれど、最初の20分で、もういやになる。 これほどひどいとは、おもわなかった。 最近見た映画では、ワーストを「踊…

竹内浩三「骨のうたう」

先日、ラジオ深夜便で、『ぼくもいくさに征くのだけれど―竹内浩三の詩と死』の著者、稲泉連氏が出演して、竹内浩三の話をしていた。 稲泉連氏は、いまから5年前、23歳のとき、この著書を書いている。現代を生きる23歳の眼が、23歳で戦死した、戦時中のひとり…

青山七恵作『ひとり日和』

高校を卒業した若い女性・知寿と71歳の女性・吟子さんの<共同生活>を淡々と描いた作品だ。 両親は離婚していて、知寿は母と暮らしていた。 その母が仕事で中国へいくことになり、残された知寿は、遠い親戚の吟子さんの家で暮らすようになる。 主人公の知寿…

ドン・シーゲル監督『ダーティハリー』(1971年)

アクション映画が好きでない、という単純な理由でこの映画を見たことがありませんでした。 でも、近年クリント・イーストウッド監督の作品を見る機会が多くなり、監督としても、俳優としても、段々に興味が出て、見逃してきたむかしの作品も、見たくなりまし…

ロキシー・ミュージックと今野雄二氏

今野雄二氏が66歳で自殺した。ぼくは、今野氏のことをほとんど知らないけれど、彼がロキシーのことについて、厚意をもって書いていたのは、記憶している。 ぼくも好きなバンドだったから、自然と文章に目がいったのかもしれない。 ★ ●「モア・ザン・ディス」…