20代のころ、マンガの「はだしのゲン」(中沢啓治作)を読んで強い衝撃を受けました。夢中で10巻を次々読みました。
家にあったマンガ「はだしのゲン」は、その後二人の子どもたちも繰り返し読んでいたようです。戦争について、原爆について、特別子供たちに何かを伝えたことはありませんが、「はだしのゲン」を読んで、うちの子供たちは何を感じたことか。
ドラマ「はだしのゲン」は、原作をかなり忠実に描いていた、とおもいます。
【注】:後編になると、時間的な制約のためか、原作との相違や、エピソードの省略があったようにおもいましたが。
原爆で爆死してしまう父を演じた中井貴一は、いつになく気丈夫な役柄で、「日本が勝てるわけがない」と豪語し、非国民の烙印をおされます。子どもたちは、父の反戦的言動のため、学校の級友、教師、隣人からいじめられ、一時は父を恨みもしますが、亡くなった父の言葉が正しかったことを、次第に実感していきます。
ゲンが原爆投下のなかで生きながら、未来に希望を失わなかったのは、世間からなじられても屈せず、反戦を貫いた父の存在が勇気を与えてくれたからでした。
悲惨なものがたりですが、子どもたちは生命力に満ちて明るいし、どんな状況でも逞しく生きていきます。それがために、内容のわりに、見たあとはあたたかい感動が残りました。