かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

横浜聡子監督『俳優 亀岡拓次』を見る(2月11日)。



午前11時からテアトル新宿横浜聡子監督の『俳優 亀岡拓次』を見る。脇役専門の俳優、亀岡拓次が主人公である、という以外あまり情報もなかったが、予告編を見ておもしろそうな気がしたので、見てみる。


亀岡拓次(安田顕)は、仕事がはいればどんな端役でも請け負う。最初から流れ弾にあたって死ぬホームレス役で登場するから、おもわず吹き出してしまった。生活に片意地張らず、仕事がはいれば受けて、時間があくと、ひとり居酒屋にはいってお酒を飲むのが楽しみ。いいね。


そんな飄々とした日々。無精髭をいつもはやして、俳優らしい凛々しさからも遠い。口癖は「すみません」と、誰に対しても謙虚。見ているうちにだんだんこの「亀岡拓次」が好きになってくる。演じる安田顕がいい。


映画のシーンと現実の場面が説明抜きに交差する。「なんだろう?」っておもうような、映像の飛躍がおもしろい。ストーリーらしいストーリーがないのに、楽しめる


亀岡拓次は、撮影先の居酒屋であった安曇(あずみ)に惹かれる。安曇を演じるのは、麻生久美子。笑顔が、ひとつひとつの動作が、美しい。亀岡拓次が恋してしまうのも、ムリないとおもう。


満足して、映画館を出る。


紀伊国屋書店の裏にある「磯丸水産」で、まぐろ丼をつまみにハイボールのストレートを飲む。横浜聡子監督の他の作品も見たくなった。