かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

「笑の大学」(舞台版)


星護監督の映画『笑の大学』は途中で出てしまいたくなるほど退屈でした。出演者が懸命にがんばればがんばるほど、おもしろくないんです。この狙いのずれってなんだろう、と考えてしまいました。


演劇はほとんど見たことがないのに、ringoさんが「舞台の『笑の大学』はおもしろかったですよ」というので、録画したDVDをお借りしました。


笑いには興味のない検閲官と喜劇作家が繰り広げるドラマは映画と同じ。なのに、これがとってもおもしろい!


検閲官に西村雅彦。喜劇作家に近藤芳正。西村雅彦のちょっと意地悪なキャラが検閲官にぴったりでした。役所広司では善人すぎるのかもしれません。それにしても、西村雅彦は、観客のこころを手玉にとって、笑わせたり、気をもたせたり、芝居をリードします。まったく、うまいなあ。


相手役の喜劇作家を演じたのは、映画=稲垣吾郎、舞台=近藤芳正。こちらは、はじめから勝負にならないようです。近藤芳正は、映画『ラヂオの時間』で、鈴木京香の夫役をやっていました。あの可笑しなキャラクターが大好き。この舞台でも、裏切られませんでした。


映画では全然笑えなかったのに、こちらでは笑いっぱなし。この違いは、演出なのか、役者なのか。同じ三谷幸喜作品でも受ける感じがこうも変わるとは……。